インフラ管理で、AIやIoTなど新技術を1000件導入(2/2 ページ)
政府は2018年6月4日に未来投資会議を開き、国の成長戦略「未来投資戦略2018年」の素案を示した。建設分野では、インフラメンテナンスで老朽化した重要構造物の点検・診断において、ロボットやセンサーといった新技術を導入する施設管理者を100%とする目標を設定した。
PPP/PFI事業2022年度までに21兆円規模へ
PPP/PFI手法の導入加速は、2013〜2022年度で事業規模を21兆円(2013〜2016年度約11.5兆円)までに拡大させる。公共施設運営権方式を活用した事業は、7兆円(同約5.6兆円)まで広げることを目標とする。これまでのPPP/PFI推進アクションプランで重点に置かれた文教施設やMICE施設など以外にも、公営水力発電および工業用水道について数値目標の達成に向けた取組みを強化していく。
具体的な施策としては、2018年3月に公表した実施方針に基づき、北海道7空港(新千歳、函館、釧路、稚内、女満別、旭川、帯広)の運営権者を2019年までに選定する。下水道・簡易水道は、新たなロードマップを明確にして、人口3万人未満の団体における公営企業会計の適用を促す。
全般的な取り組みでは、成果連動型の民間委託契約方式を活用する他、自治体には債務負担行為により、事業の実施期間が複数年となる契約を結ぶように努力する。
都市競争力の向上では、2020年までに、都市総合力ランキングで東京を3位以内に入ることを標ぼう。空き家対策では、2019年度の制度改正、2020年度後半からの運用開始を目指し、所有者不明の土地に対して、地籍調査や相続登記の義務化、所有者情報の把握を進める。リフォーム市場は、2010年の6兆円規模から、2020年までに12兆円と倍増させる。既存住宅の流通は、2010年の4兆円から8兆円まで押し上げる。
また、2019年夏をめどに既存建築ストックの有効活用を促進するため、「事務所」を「商業施設」に用途変更する場合は、安全性を確保した上で、防火・避難規制を緩和する考えも示唆した。
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