i-Constractionの試行で11件の新技術を決定:i-Constraction(1/2 ページ)
i-Constraction(アイ・コンストラクション)推進コンソーシアムは現場での導入を含めた効果検証を行う新技術を募り、民間企業・団体から応募があった11件のマッチング技術を決めた。2018年度内に各現場での試行を完了させ、評価をまとめる。
国土交通省は2018年5月16日、ICTを活用して生産性を高め、建設現場の働き方改革を目指す「i-Constraction推進コンソーシアム」のニーズ・シーズマッチング決定会議で、11件の新技術を試行することに決めた。
i-Constraction推進コンソーシアムは、IoTやAI(人工知能)などの革新的技術の現場導入や3次元データの活用などを進め、生産性が高く魅力的な新しい建設現場の創出を目的とした産官学の組織。
2017年10月の「第1回マッチング決定会議」で国土交通省の出先機関などが求めるニーズを示し、2018年1月の説明会でワーキンググループに参画している企業・団体がこれに応えられるシーズを説明して新技術とのマッチングを図った。決定会議では推進コンソーシアム企画委員会委員の冨山和彦委員(経営共創基盤代表取締役CEO)も参加し、11件の技術を採択。今後は順次、試行を行っていき、導入も含めたコストの優位性や技術の有用性を確認し、2018年度内に試行を完了させ、とりまとめを行う。
マッチングが成立したニーズ・シーズは、次の通り(■ニーズ=ニーズ提供者/シーズ概要=シーズ提供者の順)。
■海中・水中の三次元測量を可能にする技術=留萌開発建設部 留萌開発事務所/1m2(平方メートル)当たり、陸部10点、水部1点の3次元データを取得し、同時に空中写真を撮影する「航空レーザー測深ALB」=アジア航測
■舗装版を剥がさずに橋梁(きょうりょう)の床板の劣化状況を把握する技術=札幌開発建設部 岩見沢道路事務所/コンクリート内部欠陥の弾性波を用いた非破壊調査技術―FITSA(SIBIE法)による調査―=富士ピー・エス
■衛星画像データを用いて広域の地形変化を(経時的に)把握する技術=能代河川国道事務所、福島河川国道事務所、長野国道事務所/時系列画像をAI解析し地形特長を識別、衛星画像から流域の水位や経年変化を分析する技術=NTTデータ経営研究所
■現場の状況をカメラなどでリアルタイムに把握できる技術=横浜国道事務所/360°画像を簡便に撮影・クラウド共有により現場の状況を効率的に共有する技術=リコー
■法面・構造物・舗装などの異変を自動で検知・記録できる技術=航空局 空港技術課、羽越河川国道事務所/一般車両にMMSユニット(レーザスキャナー、GNSS-IMU、デジタルカメラ)を搭載し、道路周辺状況を走行するだけで3次元データを取得する「MMS(モービルマッピングシステム)」=アジア航測
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