大手建設業の従業員数は持ち直す、国交省の実態調査(1/2 ページ)
国土交通省はゼネコンを対象にした実態調査の結果を明らかにした。建設業で人手不足が懸念される中、国内の従業員数は前年に比べ1.7%増と、若干回復傾向にあることが分かった。売上の構成比では、公共の建設関連が好調な一方で、民間は微減にとどまった。
国交省は2018年4月27日、大手建設業者を対象にした2017年建設業活動実態調査の結果を公表した。建設業の国内売上高の総額は、6年連続の増加で、14兆7017億円(前年比0.5%増)。従業者数は、調査対象企業合計で4年連続の増加となり、16万8689人(同1.4%増)。
公共工事は増加傾向、民間工事は減少
調査結果をみると、国内売上高の事業別は、土木建築工事が11兆742億円(同0.0%)、設備工事業が2兆9489億円(同2.2%減)。建設工事以外の売り上げは、建設関連業が1244億円(同4.3%減)、不動産業、設備機器の製造・販売などのその他の事業が5542億円(同36.4%増)。
売上の構成を公共と民間で比較すると、公共は土木建築(同2.4%増)と、建設関連(同68.9%)がプラスだった一方、設備工事(同10.0%減)はマイナスだった。民間は土木建築、設備工事、建設関連ともに減少したが、建設資材の製造・販売は大きく伸長した。
常時従業者数は、調査対象企業の国内外合計が16万8689人(前年比1.4%増)。国内16万2849人(前年比1.7%増)、海外5840人(同6.1%減)。全体として、ここ数年の推移は、2013年の15万9385人を底に、1990年代に比べると10万人は減ったものの、ここ数年はやや持ち直しつつある。
全体の統計で業種別の内訳は、総合建設業が最多の10万8944人(同1.1%増)、設備工事業は5万9745人(同1.9%増)。職種別では、事務職3万9161人(同0.5%減)、技術職11万5282人(同2.4%増)、技能職1万3054人(同1.5%減)、その他1192人(同1.2%減)の順。
国内の部門別では、設計・エンジニアリング部門2万2409人(同16.0%減)、本社の分社化による関連企業部門900人(同2.4%増)、兼業部門3429人(同1.6%増)、研究部門2440人(同3.6%増)、情報処理部門1291人(同3.8%増)、海外事業部門1232人(同1.0%減)、上記以外の国内建設事業・その他の管理部門13万1148人(同5.4%増)だった。
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