韓国初、釜山でUAVレーザーによる3次元計測:ドローン測量
テラドローンは韓国でi-Construction導入の動きがあることを受け、ドローン計測の事業を韓国でも展開する。第1弾として、韓国初となるUAVレーザーによる3次元計測を釜山で実施した。
テラドローンは2018年4月10日、韓国・釜山にある荒嶺山で韓国企業のセハン測器と共同して、同国初となるドローンを用いた3次元レーザー計測を行ったと発表した。
テラドローンは、海外を中心に電動2輪・3輪の販売を行うテラモーターズが2016年3月に設立したドローンビジネスに特化した企業。自社でシステム開発し、土木・森林の測量サービス、無人機運行管理システム「UTM」、レーザー計測、ドローン専用画像処理・解析ソフトウェア「Terra Mapper」などを展開している
山地計測の需要が高い韓国で、荒嶺山の約30haを約4時間で計測。
今回のUAVレーザーによる3次元計測は、釜山の荒嶺山に持ち込み、約30haの山地を約4時間かけて計測。高精度の地表面データを取得した。
従来の山地計測は、樹木の下にある地表面を計測するため、樹高と地盤高の計算をし、必要な部分に関しては実際に森林を伐採する必要があった。しかし、正確な地表面データを取ることが困難で、実際に施工を行うと、取得したデータとの誤差が激しく、計測段階からやり直しを行う場合もあった。これにより、数カ月の工期遅延とともに、数千万円単位の追加費用がかかる上、安全面でも大きな課題となっていた。
また、韓国は国土の約65%が山地であり、洪水や土砂崩れが頻繁に起こるため、災害対策における山地計測の需要は高い。しかし、従来方法では工数も費用もかかるため、十分な地表面情報が計測できていないのが現状だという。
レーザー搭載ドローンによる樹木下の3次元計測では、森林を伐採することなく、空中からレーザーを照射し、地表面や地物に反射した3次元データを短時間で取得することができ、韓国でのニーズにも応えることができる。
テラドローンの担当者は韓国進出について、「当社では2017年後半からグローバル展開を本格的に進めている。同時期に国交省が進めるi-Constructionを韓国でも導入するという政府の動きを耳にし、実際に訪韓した。韓国では3次元レーザー計測をできる会社がなく、当社に相談があり、案件を受注して現地パートナーと一緒に今回実測を行った」。
韓国のドローン市場については、「法整備は日本の規制に近い形が既にある。その法的な枠組みの中で、現在の計測ドローン需要は、まだ市場が形成されている段階で不透明だが、日本の2014〜2015年頃に似ている。2018年度は韓国の現地企業と協業して、さらなる事業展開をしていく。また、日本では3月にUAV LiDAR計測が公共測量でも認められ、国内の市場も拡大の傾向にある。技術力を高め、国内外のユーザーニーズに応えていきたい」と話す。
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