多忙なビル管理者は、中央監視室を“持ち運ぶ”:FM(2/2 ページ)
ジョンソンコントロールズは、ビルオートメーションシステム「Metasys」シリーズの新バージョンの販売を開始した。ユーザーインタフェースの改善と、セキュリティを強化したのが特徴だ。さらに、PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末からでも、中央監視室と同様の作業を行えるようにするなど、作業者の利便性を高める改善を多数加えた。
中央監視室を“持ち運べる”
2つ目の特徴が、スマートフォンやタブレット端末への対応だ。新バージョンのMetasysは、PC、タブレット、スマートフォンごとにレイアウトやデザインを最適化するレスポンシブデザインを採用している。そしてPC、スマートフォン、タブレット端末のどのデバイスからでも、同じインタフェースで同様の操作を行える。インターネット環境さえあれば、Webブラウザからいつでもどこでも中央監視室にいるかのようにあらゆる作業が可能だ。
例えば警報が発生し、機器の確認などの現場対応が必要になった場合、一般には中央監視室の作業者と、現場作業者が電話などで状況を確認しながら作業を進める場合が多い。だが新バージョンのMetasysであれば、タブレット端末などで状況を確認しながら1人でも作業を進められる。オプションサービスを利用すると、設備の仕様書などの関連ドキュメントも閲覧可能だ。
HTTPSプロトコルを採用
3つめの特徴がセキュリティ対策だ。最近では複数の建物のエネルギーを統合管理するなど、BEMSの接続範囲が拡大している。それに比例してサイバーセキュリティ対策の重要度も増している。そこで、Metasysの新バージョンでは暗号化を行うHTTPSプロトコルを採用。BASへのHTTPSプロトコルの採用は「業界初」(ジョンソンコントロールズ)だという。
ジョンソンコントロールズではMetasysの新バージョンを、ゼネコンやデベロッパー、設計事務所に加え、ビルオーナーなどのエンドユーザーにも提案していく方針。新築を中心に、オフィスビル、病院、工場、データセンターなど幅広い建物での需要を見込む。なお、新バージョンのUIは既存のMetasysユーザーにも提供可能だという。同社は新バージョンの投入により、Metasysシリーズの年間売上高20%増を目指す方針だ。
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