音声認識で議事録作成を自動化、建設業界に特化した新サービス:現場管理(2/2 ページ)
建設・不動産業界で頻繁に行われている作業の1つーー「議事録作成」。アドバンスト・メディアはこうした議事録作成を自動化できるサービスの販売を開始する。同社の強みとする音声認識技術を活用したサービスで、建設・不動産業界特有の単語にも対応。最大で議事録作成にかかる時間を約5割削減できるという。
業界特有の単語に対応
もちろん自動で生成されるテキストデータは完璧ではない。誤字脱字の修正や、捕捉などが必要になる。ただし、スーパーミーティングメモは独自の建設・不動産業界向けに開発した音声認識エンジンを活用。「揚重計画」「有効空地率」といった業界特有の単語も認識し、自動でテキスト化できるとしている。
料金は初期費用が29万8000円。月額の基本費用は2万9800円の基本料金と、通話1分当たり20円の従量課金で構成する(全て税別)。この場合、同時に発話できる人数は4人、最大の同時接続人数は20人までとしている。なお、マイクやスマートデバイスなどの費用は含まれておらず、実費となる。
アドバンスト・メディアはスーパーミーティングメモを導入した場合の導入効果を試算している。一般に行われている議事録作成にかかる時間を、音声ファイルから完全な書き起こしを行う会議が8時間、音声ファイルとメモ書きを参照する会議が4時間、メモ書きを利用する会議を2時間と仮定する。この場合、3種類のどの会議であっても、スーパーミーティングメモを利用すれば2時間程度で議事録作成を行えるとしている。
この試算を適用すると、1か月に96時間(8時間×6回、4時間×8回、2時間×8回の合計)の議事録作成作業行っている企業の場合、導入すれば作業時間を55%減の44時間まで減らせる見込みだという。「作業時間の短縮により削減できる人件費を考えると、この場合、初期費用、月額費用、マイクの購入費用なども加えて、約8カ月で利益転化できる試算になる」(同社)
アドバンスト・メディアは2016年1月に建築仕上げ検査向けの音声認識サービス「AmiVoice スーパーインスペクター」を発表するなど、音声認識技術を活用した建設および不動産業界向けのサービス開発に注力している。今回発表したスーパーミーティングメモはその第2弾で、今後も生産性や業務効率の向上が課題となっている建設業界向けのサービス開発に注力していく方針だ。
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