音声認識で議事録作成を自動化、建設業界に特化した新サービス:現場管理(1/2 ページ)
建設・不動産業界で頻繁に行われている作業の1つーー「議事録作成」。アドバンスト・メディアはこうした議事録作成を自動化できるサービスの販売を開始する。同社の強みとする音声認識技術を活用したサービスで、建設・不動産業界特有の単語にも対応。最大で議事録作成にかかる時間を約5割削減できるという。
アドバンスト・メディアは2017年1月17日、東京都内で会見を開き、同社の音声認識技術を活用した建設・不動産業界向けの議事録作成サービス「AmiVoice スーパーミーティングメモ」(以下、スーパーミーティングメモ)を販売すると発表した。同年2月1日から販売を開始する。打ち合わせや会議などの発言を自動でテキスト化できるサービスで、議事録作成にかかる時間を最大で50%削減できるという。既に大手ゼネコン1社への実証導入が決まっており、今後3年間で100社への導入を目指す方針だ。
建設・不動産業界の多くの企業ではOHSAS 18000(労働安全衛生)」や「ISO(国際標準化機構)」の取得に伴う会議の透明化、リスクマネジメント強化の一環として、事業主・施主・建築会社が集まる定例会議や分科会などの議事録作成が行われている。
議事録の作成作業のスタイルは、ICレコーダーなどで録音し、その音声ファイルをもとにした全文書き起こしや、音声ファイルとメモ書きを併用した要約、メモ書きからの要約など、用途に応じてさまざまな方法がある。作業方法によってかかる時間に差はあれど、業務負荷は非常に大きい。
スーパーミーティングメモはこうした議事録作成の作業の効率化を目的に開発したサービスだ。利用方法は以下の通り。まず、会議の参加者はそれぞれマイクを装着する。すると自分の会話が、マイクと有線もしくはBluetoothなどを利用して接続したiPhone/iPadから、専用アプリを通してクラウドサーバー上に送信される。そこで音声認識エンジンを利用してテキスト化が自動で行われる仕組みだ。なお、録音に対応するスマートデバイスは現時点でiOSのみとなっている。
次に議事録作成・編集の担当者はPC上から、ほぼリアルタイムにテキスト化される各参加者の発言を時系列で閲覧・編集できる。この閲覧・編集はWebブラウザからサービスにログインして行うシステムとなっており、担当者は会議の場にいなくても、遠隔地から作業を行うことも可能だ。推奨のWebブラウザはGoogle Chromeとしているが、Internet Explorerなど、他のブラウザでも利用可能だ。
編集画面のイメージ。右側にテキストが表示され、左側のスペースが編集を行う領域になっている。右側のテキストはドラッグアンドドロップで編集領域に移すことが可能だ(クリックで拡大)出典:アドバンスト・メディア
テキストの編集は、単語や発話者、任意に指定した重要発言などの条件で検索することもできる。同時に音声も録音しており、各発言者の音声を選択して再生する機能も備える。これにより、ICレコーダーで録音した音声ファイルを利用する際のように、発話箇所を探し出す手間を省くことができる。さらに写真などの会議資料を統合して編集することも可能だ。Wordへの出力機能も備える。
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