「完全なビルマネジメントを提供」、シュナイダーとパナソニックが戦略提携:省エネビル(1/2 ページ)
パナソニックと仏シュナイダーエレクトリックが、日本を除くグローバル地域におけるHVAC(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)設備とビルマネジメントに関し、戦略的提携を行うと発表した。両社の持つ製品・技術を組み合わせ、ビルマネジメント市場での競争力を高める狙いだ。
パナソニックと仏シュナイダーエレクトリックは2016年10月11日、HVAC(暖房、換気および空調)設備やビルマネジメントシステムの開発・営業に関し、戦略的提携を行うと発表した。
パナソニックのVRF(ビル用マルチエアコン)が無線通信規格「ZigBee」経由でシュナイダーエレクトリックのビルマネジメントおよびルームコントローラーに直接通信できるようにし、高度なワイヤレスソリューションを提供することが可能となるという。ビルオーナーやビル管理者はHVACや照明、セキュリティ、配電などのビルに関するさまざまな基幹システムを1つのインタフェースで常時把握できるようになる。
今回の提携に関してパナソニック役員兼エアコンカンパニー社長の高木俊幸氏は「当社は業務用および住宅用空調に重点的に投資し、客のニーズに全力で応えてきた。今回の提携を通じてビルエネルギーマネジメントにさらなるベネフィットを提供できるようになる。ビルマネジメントに最先端のVRF技術を組み合わせることで、客の初期投資と運用コストの削減や次世代のサスティナビリティをサポートできるようになる」とコメントしている。
シュナイダーエレクトリックエコビルディング部門担当上級副社長のローラン・バタイユ氏は「今回の提携により、デバイスからクラウド、ビルの種類・サイズを・築年数を問わない、完全なビルマネジメントを提供することができる。この強力なデジタルバックボーンはビル環境の一層の可視化を実現するとともに、ビルに未来をもたらす重要な要素だ」と述べた。なお、提携はグローバルで行うが日本は除くとしている。
両社の共同ソリューションの特徴は無線と優先のどちらでも導入が可能なところにある。無線では既存のインフラをそのまま利用でき、既築のビルを改良する場合に用いやすい。一方、有線は高度なプラグアンドプレイ技術の優位性をフル活用し、広範囲にわたるVRFシステムを簡略化することや、スタンドアロンでの導入も可能だ。導入も容易でSI(システムインテグレーター)の作業時間やコストを削減できる。
パナソニックのVRFシステムはインバーター技術に強みを持ち、これによりエネルギー効率を高めることでSEER(欧州季節エネルギー効率比)の達成に貢献するなど、商業ビルでの普及が進んでいるという。また、最低マイナス25度から最高52度までの過酷な環境下でも運転できる冷暖房性能を備えている。
シュナイダーエレクトリックはエネルギーマネジメントとオートメーションの世界的大手企業。グループ全体の従業員数は16万人で、2015年の売上高は270億ユーロに達する。同社のビルマネジメントソリューション「SmartStruxure」はハードウェア、ソフトウェア、エンジニアリング、導入、サービスをビルのライフサイクルに合わせてカスタマイズすることで、効果的なエネルギー管理が可能。効率の最大化と運用コストの削減を実現する。このソリューションはさまざまな情報から実行可能な解決策をリアルタイムで提供するため、ビル管理者はエネルギーマネジメント最適化のための効率的な判断ができるとしている。さらに同社のSE8000シリーズルームコントローラーを組み込むことで、サーモスタット/温度センサーとの組み合わせが可能となり、HVACシステムのエネルギー使用量を最適化することで運転コストの削減に貢献する。
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