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BIMで広がる建設業界の可能性と現在地BIMで変わる建設業の未来(1)(1/3 ページ)

ICT、ロボット、ドローン。こうした新しい技術がさまざまな産業に変化をもたらす中、建設業界でもその活用に注目が集まっている。本連載ではBIMを筆頭に、建設業界に関連する最新技術の活用状況の現在と、今後の展望について解説していく。

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 海外の建設業界において「BIM(Building Information Modeling)」という言葉がうたわれ出して久しいが、ここ数年ようやく日本においても本格的にBIM活用が進みはじめ、言葉として定着してきた感がある。

 とはいえ「BIMはあくまでも企業のICT活用の戦略のほんの一部でしかない」と思われがちだ。しかし、BIMは単なる設計ツールでもなければ、3Dのモデリングや図面を生成するといった部分的な生産性の向上を目的としているのではない。建物を1つの製品として捉え、その設計行為から施工業務、運用管理までを含むデータベースを構築する。そして個々の情報をつなぎながら、建物に関わるプロセス全体を最適化していくことがゴールだ。

 ここではまずこのBIMを、企業のICT活用という視点でもう一度全体から見直し、あらためてそのビジョンを描いてみたいと思う。

さまざな業界で広がるICT活用

 ICTをはじめとするテクノロジーの革新は、モノづくりの考え方や手法に大きな影響を与えている。例えば、スマートフォンやタブレット端末の登場により、情報の伝達方法が大きく変わった。より迅速かつ簡単に、正確で情報量に富んだコンテンツに、いつでもどこでも誰でもアクセスできるようになった。

 そこには、クラウドというテクノロジーも不可欠で、情報が1つの場所でなくロケーションフリーで保管できるようになり、さらにはデータだけでなく、アプリケーションやセキュリティといったものもクラウドで稼働するような時代になっている。

 さらにドローン、3Dプリンティング、ロボティクスなどがますます安価で簡単に利用できるようになり、モノづくりは180度変わったといえるだろう。ドローンで現況を確認し、3Dプリンタで製作を行い、ロボティクスで運用管理する、といった時代がすでに見えてきている。


さまざまな業界でテクノロジーの活用が進んでいる

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