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都市の環境価値を可視化する、日本設計のCFD活用BIM/CAD(1/2 ページ)

「Autodesk University Japan 2016」で日本設計 執行役員フェローの篠崎淳氏が同社の都市設計におけるBIMおよびCFDの活用事例を紹介した。環境の日本設計として知られる同社だが、最近ではCFDを都市全体に適用し、その結果を建築設計に活用しているという。

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 オートデスクは2016年9月8日、東京都内で「Autodesk University Japan 2016」を開催した。同イベントの中で日本設計 執行役員フェローの篠崎淳氏が「“Integrated BIM” for Urban Designー日本設計が進める Integrated BIM と都市設計での更なるBIM活用」と題した講演を行い、都市設計における同社のBIMおよびCFD(流体解析)の活用事例を紹介した。

 日本設計は2014年9月にオートデスクとパートナーシップを結び、設計環境基盤の中心に「Revit」を据え、全社で設計情報を標準化するなど、積極的なBIMの活用を推進している。そのコンセプトを「Integrated BIM」(統合されたBIM)とし、Revitを中心に3Dデータと属性情報を統合し、さまざまな設計プロセスの連携・統合を図っている(図1)。


図1 日本設計が進める「Integrated BIM」のイメージ(クリックで拡大)出典:日本設計

 このようにBIMを全面的に活用するワークフローの中にはもちろん、CFD(流体解析)などのさまざまな解析や、シミュレーションのプロセスも含まれる。篠崎氏は「これまで設備、建築、構造のそれぞれの分野で高度な解析が行われてきた。しかし日本設計ではIntegrated BIMという新しいコンセプトの設計環境のもとで、それぞれの領域を連携させた解析にチャレンジしている。これにより、従来とは違う考え方が出てきたり、違う風景が見えてきたりするのではないかと考えているからだ」と述べる。


日本設計の篠崎氏

 同社こうした取り組みの延長として実施しているものの1つに、都市設計におけるCFDの活用があるという。気温、風速、熱射など、都市の環境に影響を与える要素を広範囲に解析し、環境情報の見える化を図っている。積極的な緑化の採用や自然エネルギーの活用など、“環境の日本設計”として知られる同社だが、CFDなどの環境解析を建物の枠を超え、都市レベルで適用する背景には、どういった理由があるのか。

 篠崎氏はその理由について「例えば建物の一部を緑化する、自然を取り入れるといった場合、『それで何がどれくらい良くなるのか』という根拠が示しにくい。そこでCFDを積極的に活用し始めているという背景がある。都市を単体の建物の集合と考えるのではなく、循環するシステム(環境)と捉える。そしてその環境を具体的に解析し、得られたデータを個々の建物の設計に当てはめていくことで、最適な都市空間を構築していく」と述べる。

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