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ビル群に「仮想発電所」を構築、CO2排出量を40〜60%削減へ:省エネビル(1/2 ページ)
竹中工務店は東京本店を含む既築ビル群を対象に、最新のエネルギー技術を駆使した「仮想発電所」を構築する。太陽光発電などによるエネルギーの創出に加えて、独自開発のシステムを導入してビル群を1つの発電所のように制御する試みだ。脱炭素社会に向けたモデルタウンづくりを目指す。
「竹中脱炭素モデルタウン」の第1弾のプロジェクトが始まる。湾岸地区にある竹中工務店の東京本店ビル(図1、地上7階建て)を中心にモデルタウンづくりを進める計画で、今秋から実証に取り組む。
脱炭素モデルタウンは地域のビル群が排出するCO2(二酸化炭素)を削減することが目的だ。CO2の大半は電力などエネルギーの消費に伴うもので、省エネルギー・蓄エネルギー・創エネルギーの最新技術を組み合わせて低炭素化を図る。
プロジェクトの最大の特徴は「VPP(バーチャルパワープラント)」を構築する点にある。VPPは地域で生み出すエネルギーを活用しながら、仮想の発電所を形成して電力や熱を地域内に供給する仕組みだ(図2)。電力会社から購入する電力量を減らすことによってCO2の排出量を削減する。
VPPを構築する中核の技術には、竹中工務店が独自に開発したエネルギーマネジメントシステムの「I.SEM(アイセム)」を利用する。このシステムはビル内で消費するエネルギーの需要を予測したうえで、空調設備や照明設備の運転状態を制御して、エネルギーの需給バランスを最適化することができる(図3)。
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