ビルや住宅は省エネ性能で選ぶ時代に、4月1日から新しい法制度が始まる:法制度・規制(1/4 ページ)
ビルや住宅を対象にした「建築物省エネ法」が2016年4月1日に施行される。建築物のエネルギー消費量が基準に適合するように義務化の範囲を拡大する。さらに基準に適合していることをラベルやマークで表示する制度も拡充して、企業や家庭に省エネ型の建築物を普及させる狙いだ。
国全体のエネルギー消費量を産業・運輸・建築物の3部門に分けると、2000年以降に増加しているのは建築物だけである。2013年には全体の34.5%を建築物が消費する状況で(産業43%、運輸22.5%)、抜本的な省エネ対策の推進が不可欠になっている。
「建築物省エネ法」(正式名称:建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)の適用が2016年4月1日に始まる。これまで建築物は「省エネ法」(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)で規制を受けてきたが、今後は「建築物省エネ法」に移行して規制の内容が一段と厳しくなる(図1)。
大きな変更点は2つある。1つは新築の建築物に対して、エネルギー消費性能(省エネ性能)の基準に適合する義務を強化する。省エネ性能は建築物の地域や用途、床面積などをもとに、空調や照明などのエネルギー消費量の合計が基準を下回るかどうかを評価する指標だ。新たに床面積が2000平方メートル以上の大規模な非住宅の場合には、建築確認手続きの段階で基準に適合していることが義務づけられる(図2)。
もう1つの変更点は建築物の省エネ性能が基準に適合していることをラベルやマークで表示できるようにする。ビルや住宅の購入者・入居者が省エネ性能を示すラベルやマークを参考に建築物を選べるようになる。建築物を利用する企業や家庭にも省エネの意識を高めてもらう狙いがある。
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