検索
ニュース

AIで紙図面を一瞬でCAD化 日本HPが「建設図面の最新版が分かる」プリンタ新機能を発表:設計×AI(2/3 ページ)

日本HPは、建設業界向けクラウドプラットフォーム「HP Build Workspace 日本語版」の提供を開始した。紙図面とデジタル図面を一元管理し、QRコードによる最新版確認やAIによる図面ベクター化で現場の分断を解消する。クラウドサービスの展開に併せて、多機能な新型プリンタ「HP DesignJet」シリーズの新機種も上市した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

“描く作業”から“確認/仕上げ”へ設計作業をシフトチェンジ

 HP AI ベクタライゼーションは、紙図面などの「ラスターデータ(画像)」を「ベクターデータ(CADなど)」に置き換える一般的なラスベク変換とは異なる。違いについて手島氏は、「一般的な変換ソフトウェアは、事前の設定調整や変換後の細かな補正に多くの時間を取られる。HP AI ベクタライゼーションはAIが構造を識別するため、人の介入を最小限に抑え、“描く作業”から“確認/仕上げ”へと簡易化し、作業時間の削減がもたらされる。余った時間は、より高度な設計案や複数プロジェクトの創造に集中させられる」と補足した。

「HP AI ベクタライゼーション」とラスベク変換との違い
「HP AI ベクタライゼーション」とラスベク変換との違い 提供:日本HP

 説明会でのデモでは、手書きの朱書きや汚れが入った紙図面を大判プリンタのスキャナーに通すと、数分後にはクラウド上でノイズが消去され、壁やドア、寸法線、テキストが色分けされたDXFデータへと生成。AutoCADで開いたデータは、各エレメントが正確にオブジェクト化しており、即座に修正や加筆ができる完成度の高さを証明してみせた。

AIが線や設備などのオブジェクトを色分けしたDXFデータ
AIが線や設備などのオブジェクトを色分けしたDXFデータ

 バージョン管理の機能では、プロジェクトに関わるメンバーがクラウド上の同一画面を参照し、図面の変更履歴やバージョンを一元管理する。図面が更新されると古い版は自動的に置き換わり、変更箇所を視覚的に比較できる。古い図面だけを見て作業することを未然に防ぎ、バージョン違いによる手戻りも無くなる。

「HP Build Workspace」のWeb画面。プリントやスキャン以外にも、プロジェクトごとの分類や図面のバージョン管理、AIベクター変換もここから行える
「HP Build Workspace」のWeb画面。プリントやスキャン以外にも、プロジェクトごとの分類や図面のバージョン管理、AIベクター変換もここから行える

 また、HP Build Workspaceを経由して、大判プリンタのHP DesignJetから図面を出力すると、図面の右上に固有のQRコードが自動的に印字される。現場の作業員が手元のスマートフォンやタブレットの標準カメラでQRコードをスキャンすると、専用アプリを介さずに、その紙図面が最新版かどうかが画面上に表示される。

 会場での実演では、PC画面上で図面のバージョンを「v001」から「v002」へ更新してアップロードすると、旧バージョン(v001)の紙図面に印字されたQRコードをスマホでスキャンした際、「図面が古くなっています」という警告が赤字で表示された。そこからワンタップでHP Build Workspaceを呼び出し、プリントアプリ「HP Click」と連携して、プリンタから最新図面をダウンロードなしで再出力する一連の流れを披露した。

QRコードを手持ちのスマホで読み取ると、図面が最新か古いかがすぐ分かる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る