検索
インタビュー

生成AIを「業務効率化」で終わらせない 利益向上に結び付ける仕組みづくりのポイント:AI(1/2 ページ)

生成AIで業務効率化を進めても、会社の利益や競争力強化につながるとは限らない。Bring Out創業者の中野慧氏は、生成AIで成果を出すには、経営者が自社の「本丸」を見極め、業務の進め方を組み直す必要があると語る。

Share
Tweet
LINE
Hatena

Bring Out(ブリングアウト) 代表取締役社長 中野慧氏

 建設業で生成AIの活用が広がっている。議事録や報告書の作成、蓄積した社内情報の検索に加え、設計/施工計画の支援など、その用途は幅広い。作業時間の短縮など目に見える効果も表れている。

 ただし、個々の作業を効率化しても、売り上げや利益の向上、技能継承といった経営課題の解決に結び付くとは限らない。商談や会議の対話をAIで解析する事業を手掛けるブリングアウト 代表取締役社長 中野慧氏は、生成AIを会社全体の変革につなげるには、AIの活用を前提に業務の進め方を組み直す必要があると語る。

 建設会社は、どの業務をどう変えるべきか。製造業などでの実例を踏まえ、建設業への応用を聞いた。

生成AIを投入する「本丸」を決める

 中野氏は、生成AIを導入できるか試す段階から、導入によって成果を出せるかを問う段階に移ったとみる。ところが活用する業務を各部門に委ねると、経営企画部門なら資料作成、施工管理部門なら日報や議事録の作成と、担当者に身近な作業へ目が向きやすい。作業時間の短縮にも価値はあるが、議事録や資料を速く作れるようになっただけでは、売り上げや利益の向上には直結しない。

 そこで中野氏が重視するのが、利益や競争力を左右する最重要ポイント「本丸」の特定だ。設計事務所やゼネコンに製品を採用してもらう営業力が業績を左右する建材/住宅設備メーカーなら、商談や案件管理が本丸になる。工事を工期どおり、品質と安全を守って引き渡す力が競争力の源泉となるゼネコンや専門工事会社なら、施工現場のリスク把握と技能継承だ。営業から設計、施工、保守へと担当が代わりながら同じ顧客と長く付き合う注文住宅やリフォーム、ビル設備工事では、担当者間の引き継ぎが本丸になりやすい。

 同じ業態でも、本丸は各社の強みによって変わる。中野氏は、取り組みの規模よりも、どの領域で始めるかが最も重要だと指摘する。

 注力領域の選択と業務の見直しは、IT部門や現場任せにはできない。経営課題を把握し、部門をまたぐ業務の変更に踏み込むのが立場上難しいためだ。経営者が変えるべき領域を定め、推進担当者に部門を越えて動ける権限と体制を与える。現場から反発が出たり、当初は成果が見えなかったりしても、経営者は推進担当者に責任を押し付けず、自ら取り組みを支え続ける必要があると中野氏は強調する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る