道路照明が「デジタルインフラ」へ進化 自動運転時代を支えるパナソニックの「低位置照明」:スマートメンテナンス(1/3 ページ)
パナソニック エレクトリックワークスは、低位置照明を間もなく到来する“自動運転時代”に、標準の道路インフラへ発展させようとしている。自動運転トラックを開発するT2との共同実証で、夜間の白線認識距離を最大2.3倍に向上させる低位置照明の効果を確認した。将来はIoTセンサーとの一体化で、自動運転支援やインフラ維持管理を担う「道路のデジタルインフラ」への進化を目指す。
パナソニック エレクトリックワークス(以下、パナソニックEW)は2026年8月24日、大阪府門真市の本社で、自動運転時代を見据えた高速道路インフラ技術のメディア説明会を開催した。
説明会では、低位置照明によって自動運転トラックの夜間の白線認識距離が、特定条件下で最大2.3倍に向上した結果を報告。また、低位置照明とセンサーを一体化し、自動運転や維持管理を支える「デジタルインフラ」へ進化させる構想を明らかにした。
高速道路で進む道路照明の「低位置化」
高速道路の道路照明は、高さ10メートル前後のポール先端に照明器具を設置する「ポール照明」が一般的だ。しかし、2024年7月にNEXCO3社の「設計要領 第七集 電気施設編 第4編 道路照明設備」が改定され、連続照明では原則として低位置照明方式を採用する方針が盛り込まれた。今後は、防護壁などの高さ約1.2メートルの位置に設置する「低位置照明」への移行が進むと見込まれる。
パナソニックEWの濱野博司氏は、「(低位置照明は)取り付け位置が低いため、設置や保守時の高所作業の負担を軽減し、大掛かりな交通規制の短縮にもなる。電気工事従事者の減少や高齢化が進む中、省人化や省メンテナンスでメリットがある」と説明した。
近年、自然災害が激甚化する中、ポール照明は倒壊によって道路復旧を妨げる可能性もある。低位置照明であれば、災害時に道路復旧の長期化リスクを低減できる。さらに低位置照明は、ポール照明に比べて道路外への光漏れを抑えられる。周辺環境への光害を低減できれば、自然保護にもつながる。
グレアを抑えながら広範囲を照らすパナソニックEWの低位置照明
一方、低位置照明には器具設計上の制約も存在する。設置位置が低いため、ドライバーの視界に光源が入りやすく、まぶしさを抑制するための光カット制御技術が必要となる。防護壁上など限られたスペースに設置するため、器具寸法にも制約がある。さらに、低い位置から車線数や路肩幅の異なる道路条件に対応するとともに、必要台数を抑えるため、照明器具の設置間隔を広く取れることも重要になる。
パナソニックEWは、こうした要件を整理し、器具の開発を進めた。配光制御によってグレアの低減と光の広がりを両立した。器具の外形寸法も1300(幅)×200(高さ)×600(奥行き)ミリに抑えている。
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