ブルーイノベーション、15年の現場データ生かし「バーティカルAI」推進 BEP軸に点検高度化:バーティカルAI(1/2 ページ)
ブルーイノベーションは、15年間の現場データや運用の知見を外部の基盤AIと組み合わせた「バーティカルAI」の展開を本格化し、遠隔運用プラットフォーム「BEP」を通じてインフラ点検の高度化を目指す。
ブルーイノベーションは、ドローンやロボットで取得した現場データとAIを組み合わせ、インフラ点検の高度化を目指す。軸となるのが、特定の産業や業務に特化した「バーティカルAI」だ。外部の基盤モデルに、15年間の事業で蓄積してきた現場データや運用の知見を取り入れ、ドローンやロボットの遠隔運用プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を介して現場での活用を本格化する。取り組みを通じ「日本のAIトランスフォーメーション(AX)を支える社会インフラプラットフォーム企業」への進化を目指す。
ブルーイノベーション 代表取締役社長 熊田貴之氏に、BEPを核とするAI戦略とインフラ点検の将来像を聞いた。
汎用型AIと現場をつなぐ「バーティカルAI」
政府は2026年7月14日に閣議決定した第2期「AI基本計画」で、領域特化型のバーティカルAIと、機械や装置を通じて現実世界で動作する「フィジカルAI」の社会実装を重視する方針を打ち出した。注力領域は、建設、インフラ、防災など、ブルーイノベーションがドローンやロボットの活用を進めてきた分野とも重なる。
大規模言語モデル(LLM)などの汎用型AIが幅広いタスクに対応するのに対し、バーティカルAIは特定の産業や業務に特化する。設備/環境/運用履歴/点検結果などの現場データや業界固有の判断基準、実務知識を活用し、個別の業務に適した提案や判断につなげる。ブルーイノベーションは両者を対立するものではなく、補完し合う関係と位置付ける。熊田氏は、汎用型AIを基盤モデルとして用い、現場データや業界知識を組み合わせることで、特定業務に適した解析や判断につなげる構想を示した。
外部のAIと現場データをBEPでつなぐ
BEPは、メーカーや機種の異なる複数のドローン、ロボット、無人搬送車(AGV)、センサーが連携し、遠隔運用やデータ管理を行うプラットフォームだ。機体に搭載するセンサーモジュールと、クラウド側のサーバ/管理アプリで構成する。
特徴の1つが、複数のセンサー情報を組み合わせるマルチセンサポジショニングだ。位置情報を算出するセンサーフュージョンにより、GPSに依存しない高精度な屋内飛行を可能にする。加えて、障害物を自動回避する飛行ルートを設定するセルフナビゲーションにも対応。機体やセンサーから取得した情報は、サーバ/アプリ側で統合、管理する。
ブルーイノベーションは、こうしたBEPの機能とAIを組み合わせ、点検データの解析や判断への活用を進める。現場の目的や環境に応じて外部企業の基盤モデルや業務特化型AIを選定し、自社の現場データや知見と組み合わせた上で、BEPを介してドローンやロボットと連携させる構想だ。その鍵を握るのが、下水道/プラント点検、送電線点検、巡回監視、防災などの領域で15年間にわたり蓄積してきた現場データだ。
プラントなどで600カ所超、送電線点検では東京電力や北陸電力をはじめとする電力会社での実績を持ち、防災分野では、仙台市や千葉県一宮町に津波を空から知らせる防災システムを配備し、Jアラートと連動した無人飛行も実証した。これらの現場データに加え、数万人規模のドローンパイロットの飛行データも保有。熊田氏は、長年の事業を通じて得た現場データや運用の知見を自社の強みと捉えている。
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