AIでシールド工事の切羽圧を10秒先まで予測、前田建設が支援システムを開発:i-Construction 2.0
前田建設工業は、AIを用いてシールド工事の切羽圧を約10秒先まで予測し、オペレーターの運転制御を支援する「切羽圧制御支援システム」を開発した。
前田建設工業は2026年5月27日、AIでシールド工事の切羽圧を約10秒先まで予測し、オペレーターを支援する「切羽圧制御支援システム」を開発したと発表した。予測結果を基に、適切な操作タイミングを事前にオペレーターに提示することで、熟練技術者の経験や知識に依存していた制御を支援し、地表面の沈下や隆起などの周辺環境への影響を抑制する。
掘削面の崩壊を防ぐためには適切な切羽圧を維持する必要があり、圧力が低すぎる場合は地表面沈下を、高すぎる場合は隆起を引き起こすリスクがある。切羽圧の監視や制御操作は、熟練技術者の経験や知識に依存してきたが、近年は担い手不足や技術者の高齢化を背景に施工データを活用した支援技術の必要性が高まっていた。
切羽圧制御支援システムでは、シールド工事向けデータプラットフォーム「MAIOSS-II(マイオス ツー)」に蓄積した各種センサーデータやオペレーターの操作履歴をAIが学習し、切羽圧の変動を予測する。
切羽圧を含む時系列データから周期性や傾向を抽出し、約3000個の特徴量で数値化。切羽圧を予測して逸脱の予兆を検知した際にアラートを発報する。
前田建設の現場で検証した結果、AIによる予測が約90%で熟練技術者の判断と一致し、実用レベルの有効性を確認したとしている。MAIOSS-IIを共通基盤として利用するため、他現場への水平展開も容易だ。
今後はシールド外径や土質の違いなど異なる施工条件下のデータをAI学習に活用し、分析と予測の精度向上を進める。現在搭載している「逸脱予兆の警報機能」に加え、将来は逸脱防止に向けた「操作ガイド機能」へ発展させ、技能に左右されない安定掘進の実現を目指す。さらに、インフロニアグループ内でのシールドDX推進に向け、今後は三井住友建設の現場にも展開する予定だ。
MAIOSS-IIは、シールド工事における機械動作や応答値、資材や掘削土の物流、人の動きなどの多様なデータを収集するプラットフォーム。施工データをリアルタイムで収集/解析し、AIを活用した施工の自動化や省人化を支援する。収集したデータは運転制御、品質管理、物流、安全/環境、トラブル防止の5分野に分類し、クラウド上で全社的に共有/分析する。
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