システム天井を1マス単位で木質化 パナソニックEWと三菱地所設計が「国産木材格子ルーバー」開発:木造/木質化(2/3 ページ)
既存のシステム天井を活用し、オフィスを木質化する新たな試みが始まった。パナソニック エレクトリックワークスと三菱地所設計が共同開発した国産木材格子ルーバーは、画一的になりがちなオフィス空間の意匠性を高めつつ森林資源の循環にも貢献。ホテルや学校などオフィス以外への展開も見据え、2027年以降に工事完了予定の物件に特注対応として提案を進める。
システム天井の施工性や更新性を生かしながら意匠性を付与
大規模オフィスビルなどで広く採用されるシステム天井は、施工性や更新性、メンテナンス性に優れる反面、意匠性の高い仕上げ材が少なく、画一的な空間になりやすいという課題があった。
パナソニックEW ライティング事業部 エンジニアリングセンター 東京エンジニアリング部 主任技師 千葉咲季氏氏は、オフィスに求められる役割が個人作業や効率重視から、コミュニケーションや創造性の重視へと変化していると指摘。「ウェルビーイングやバイオフィリックデザインといったキーワードを基に、多様化する働き方に応じて柔軟にアップデートできる空間づくりが求められている」と開発の背景を語った。
システム天井は既存の下地(Tバー)を生かしながら1マス単位で天井材を交換できる柔軟性があり、大規模工事を伴わずに廃材の発生を抑えた改修が可能だ。一方で、意匠性を変えられる製品が少なく、画一的な空間になりやすいという課題があった。
今回の共同開発では、システム天井が持つ更新性と施工性の高さに着目。三菱地所設計が長年培ってきた木材活用や天井設計の知見と、パナソニックEWのシステム天井材や照明設計のノウハウを組み合わせ、システム天井の枠組みを生かした木質空間を提案する。千葉氏は「1マス単位で手軽に交換できるシステム天井だからこそ、今回の取り組みを行う大きな意義がある」と語る。
600ミリ角のグリッド型システム天井に対応、天井板を外して簡単に交換可能
新製品は600ミリ角のグリッド型システム天井に対応。Tバーに木材格子ルーバーを1マスずつ載せ、専用金具で固定する構造とした。部材に貫通した金具をTバーに固定することで、地震時の横揺れや突き上げによる脱落を防止する。
格子ルーバーは長尺のメインフレーム2本にサブフレーム4本を組み合わせたシンプルな構成。組み立てやすく、天井板を外して簡単に交換できる。木材には湿気を吸いにくくする塗装で割れリスクを低減する他、不燃認定に対応する塗装も施した。
重さは格子ルーバー本体が約1.75キロ、1つ約0.3キロの固定金具4つを含めても全体で2キロ程度に抑え、1人でも施工可能な重さとした。
照明は格子ルーバーの間に配置し、木の表情を引き立てながら必要な照度を確保する。照明設計ではパナソニックEWのノウハウを生かし、色温度の違いによる見え方の比較の他、まぶしさを抑えた柔らかな光を実現するための器具形状や配灯方法、照射位置などを比較検討する。3Dシミュレーションによる木の形状を加味した照度計算なども行う。
千葉氏は「照明器具が目立ちすぎると、空間の中で別の要素として存在する印象を受けてしまう。なるべく照明器具を上部に配置し、部材の高さを調整することで、木と光が一体となって空間に溶け込むような照明計画を提案する」と語った。
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