BIMの限界を突破 “IM”へ進化を促す新しい活動「BIM Innovation HUB」始動!(その2):日本列島BIM改革論〜建設業界の「危機構造」脱却へのシナリオ(14)(1/3 ページ)
BIM Innovation HUB が活動を開始し、Webサイトを公開した。前回は、本活動のメインコンセプトと、主な機能のうち2つを紹介した。今回は、残る機能となる「参照情報」「共有資源」「BIM成熟度調査」について説明する。BIM Innovation HUBでは、今後5つの機能をさらに拡充させてゆくことで、情報マネジメントに対応するための知識や実践的な手掛かりを得られる場としていきたい。
建設業界の危機構造からの脱却の鍵は、業界全体の意識改革にある。意識改革が起きなければ、どれほど技術が成熟しても、その活用は部分的な改善にとどまり、本質的な変革には至らない。
意識改革のためには、自ら学び、正しい知識を得たうえで、そこから何を為すべきかを主体的に見い出すことが重要となる。そのために必要となるさまざまな情報については、「参照情報」として提供する。さらに、共有資源として実務で有効な具体的手段も紹介したいと考えている。また、2026年6月に開始予定の「BIM成熟度調査」は、自らのBIMの取り組み状況を客観的に把握するための指標を示す役割を担う。
機能3 参照情報
BIM Innovation HUB(BIH)では、参照情報をBIMの取り組みを進めるに当たって、知っておくべき資料や情報(国際規格や各国のBIMガイドなど)と位置付けている。特に、英国を中心とした海外のBIMおよび情報マネジメントの動向に焦点を当て、情報を提供する。
一方で、BIMの情報マネジメントに関する国際規格「ISO 19650」で示されている参照情報(Reference Information)とは、設計・施工段階の情報マネジメントでプロジェクト実施に先立ち、発注組織から提供される既存情報を指す用語だ。
BIHの参照情報は、情報マネジメントの理解と実践を深めるための知識や情報を提供する場と考えている。例えば、ISO 19650などの国際規格や各国のガイドラインなどは、情報標準と見なされることが多いが、BIHでは参照情報として扱う。
参照情報としては、下図のように6つに分類して情報を提供する。
★連載バックナンバー:
『日本列島BIM改革論〜建設業界の「危機構造」脱却へのシナリオ〜』
日本の建設業界が、現状の「危機構造」を認識し、そこをどう乗り越えるのかという議論を始めなければならない。本連載では、伊藤久晴氏がその建設業界の「危機構造」脱却へのシナリオを描いてゆく。
参照情報1 国際規格
国際規格のISO 19650は、BIMを含む建築と土木分野での情報の統合やデジタル化を目的とした情報マネジメントのための国際規格だ。ISO 19650シリーズは、設計・施工段階の情報マネジメントを定めたISO 19650-2をはじめ、第1部から第6部までで構成されている。
日本では、ISO 19650-1(概念および原則)とISO 19650-2(資産のデリバリーフェーズ)については、設計・施工段階の情報マネジメントとして関心が高まりつつある。一方で、ISO 19650-3から第6部までの規格については、まだ普及しておらず、理解も十分とはいえない。ISO 19650のシリーズ全体を通して理解することで、設計・施工段階における情報マネジメントの位置付けや役割をより明瞭に把握できる。正しい理解のためには、体系的に知識を深める必要がある。
そこで、ISO 19650-1から第6部までの概要を示すとともに、それぞれの規格の位置付けやポイントについて簡潔に図のような形で解説している。
今後、ISO 19650以外の建設業界で理解しておくべき国際規格なども触れたいと考えている。
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