清水建設、大和ハウス工業、大林組が“BIMの先に”を議論 共通データ環境はAI基盤になるか?:BIMだけではない、AI基盤にもなるCDE(1/2 ページ)
BIMの共通データ環境として、建築業界で浸透が進む「CDE:Common Data Environment」。AIの驚異的な普及に伴い、今ではBIMに限らず、建設生産プロセスのあらゆるデータを集約し、AIを活用するための基盤としても期待されている。BIMで先進的な清水建設、大和ハウス工業、大林組の3社は、Autodesk Construction Cloud(ACC)をCDEとして整備し、、データ主導型建設プロセスの在り方やAIへの発展的活用、脱炭素への展開などに取り組んでいる。
オートデスクは、東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで、建設業/製造業のトレンドや事例を紹介するイベント「Design & Make Summit Japan 2025」を2025年7月に開催した。
本稿では、清水建設の三戸景資氏、大和ハウス工業の宮内尊彰氏、大林組の飯田邦博氏の3人によるパネルディスカッションを振り返りレポートとしてお伝えする。
ディスカッションのモデレータは、オートデスクの稲岡俊浩氏が務め、労働力不足や資材高、サプライチェーンの不確実性、日本固有の請負構造などの現実的な課題を踏まえ、各社の「BIMの現状とBIMのこれから」「データ戦略とAI活用の準備」「サステナビリティへのチャレンジ」へとテーマを展開した。
BIMのこれからの地図、「作る、貯める、活用する」が常識へ
建設業界の実情を4つのカテゴリーで整理。写真左から、モデレータのオートデスク アカウント営業本部 副本部長 戦略担当 稲岡俊浩氏、大林組 DX本部 高度デジタルソリューションセンター 所長 飯田邦博氏、大和ハウス工業 東京本社 技術本部 技術戦略部 技術戦略第1室 室長 宮内尊彰氏、清水建設 生産技術本部 建設DX基盤部 部長 三戸景資氏 写真は全て筆者撮影
BIMに関してパネリスト3者の発言に共通していたのは、BIMの導入自体がゴールではなく、その先にプロセス全体をデータで回すことへ舵(かじ)を切っている点だ。
大林組の飯田氏は「社内でBIMの作り方はルール化が進んだ一方、活用のための標準化が追いついていない」と分析。だからこそデータをAIや外部連携に“食わせられる”状態に整える必要性を強調。発注者とのコミュニケーション環境も、BIMとCDE(共通データ環境)が前提となりつつあると指摘した。
大和ハウス工業の宮内氏は、「BIMを(何でもできる)“魔法の杖”」と誤解していた初期を顧みて、今では技術の介在を前提に「作る→貯める→活用するというサイクルの実現へシフトした」と語る。各プロセス間でBIM連携の利用度を上げつつ、BIMデータのストックを増やし、そのデータの再活用に軸足を移している。
清水建設の三戸氏は、「当社でもデータで生産プロセスを管理する次の段階に走り出した」と説明。BIMデータの受け渡しから脱し、CDE上で同一データを“共通”に扱う運用に向け、BIMとCDEとなるACC(Autodesk Construction Cloud)をセットで回す。「BIMプロジェクトをデータベース化して構造化することで、初めてAIで活用可能になる」と、基盤づくりの必然性を説いた。
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