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建設DXの「最初の一手」をどう始める? HEROZが示す設計に特化したAIサービス第10回 JAPAN BUILD TOKYO(2/2 ページ)

生成AIのビジネス領域での浸透が進む一方、建設現場では「どこから着手し、どう業務に組み込むか」を描けずに踏み出せない人も多い。HEROZは建設DX展で、建設領域のコア業務に特化したAI技術と法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」を紹介した。建設AI活用をPoCで終わらせないためにHEROZが課題にどう向き合い、現場の「最初の一手」をどう形にしているかをブース取材から探った。

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汎用AIでは難しい建設業界の幅広い業務に使える生成AIサービス

 法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」は、LLMを活用し、事務作業や報告作業、管理業務を効率化する生成AIソリューションだ。ブース担当者は「本当に幅広く使える」と話し、施工管理の四大管理(安全、品質、工程、原価)を含む現場のコミュニケーションから、報告書作成、資材管理の最適化、データ整備までを用途として挙げた。

HEROZ ASKの説明パネル
HEROZ ASKの説明パネル

 生成AI導入で必ず論点になるハルシネーション(もっともらしい誤り)への不安に対しては、担当者は「完璧なものを作るのは難しい」と率直に認めたうえで、「サポートに詳しいスタッフが入り、100%に近いものを目指す。そのために顧客と日々細かくやり取りしながらアップデートしている」と述べ、運用で精度を高める姿勢を強調した。契約中は企業ごとにカスタマーサクセス(CS)が伴走し、「何に使えばいいか」「使いこなせるか」を整理しながら導入を支える。

 建設業は専門用語やローカルルールが多く、汎用生成AIのままでは運用が難しい。HEROZ ASKでは、顧客が用意した社内ドキュメントを取り込み、RAG(検索拡張生成)で参照させることで対応する。「積算」や「四大管理」といった用語でつまずきやすい点も、事前に学習させて補う。その結果、例えば「悪天候時に気をつけること」を四大管理の観点で整理し、安全管理や工程管理などの切り口で具体的に返すといった使い方も可能だという。

会場では24種類の活用例をまとめたパンフレットも配布
会場では24種類の活用例をまとめたパンフレットも配布

 導入に当たっては、契約前にトライアル期間を設け、過去事例も参照しながら「御社の業務ならここに効く」といった営業やサポートと一緒にディスカッション。プロンプトは定型提供に加え、新規作成も可能で、必要に応じて「裏側」の調整を含めてHEROZ側が支援する。準備期間は最短2日、費用はよく使われるプランで「1ユーザーあたり月1000円を切る」(アカウント数で変動)とし、セキュリティについても「完全に閉じた環境」だとして安心感を訴求した。

建設向けAIは流行ではなく蓄積で差が出る

 HEROZが生成AIサービスの提供を始めたのは約2年前。だが、担当者の「ChatGPTの登場後に参入した企業とは技術の深さが違うという自負がある」と言い切る言葉には、長年AIの研究/開発に取り組んできた企業としての矜持がにじむ。

 導入企業数は、設計特化AIサービスが数十社規模で、HEROZ ASKは2025年末時点で建設業界だけで100社を超える勢いだ。顧客規模はスーパーゼネコンから数名規模まで幅広いが、ボリュームは中堅規模が多い。また、関心は高いものの導入コストやセキュリティ、自社開発は費用がかかるといった課題を抱える小規模事業者に対しても、「当社のサービスはその課題感に合うと思う。お任せいただきたい」と自信をみせた。

 生成AIは「使い方は無限大」と言われがちだが、現場に必要なのは「無限大」ではなく「最初の一手」だ。設計領域の「探す/推定する」を支える建設特化AIと、日々の業務を広く支えるHEROZ ASKの提案は、建設業務へのAI導入を具体策として示すものだった。

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