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パナソニックとトヨタが設立したPLT 着工から竣工までの記録を一元化する「CONSAIT」の可能性第10回 JAPAN BUILD OSAKA(2/3 ページ)

パナソニック ホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニック建設エンジニアリング、松村組のホールディングス会社「プライム ライフ テクノロジーズ」は、着工から竣工までの記録業務を効率化する複数のアプリから成るクラウドプラットフォーム「CONSAIT」を提供している。最新のアップデートでは、仕上検査時に指摘事項を発話するだけで自動入力する「CONSAIT Pro仕上検査」をリリースした、

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 iPad用「配筋検査アプリ」は、検査箇所を選択すると設計情報が自動反映される仕組み。検査進捗はグレー(未実施)、赤(検査中)、緑(合格)の3色で直感的に分かり、写真や図面、検査結果が自動で関連付けられる。担当者は「フロアが増えるほど検査状況の把握は難しくなるが、色分けで進捗が一覧できるので、現場管理者も的確な判断ができる」と説明した。現場ごとの検査データをクラウドで一元化し、後追いの確認や是正対応が迅速に行える。

検査進捗は色分けで表示されるため、一目瞭然
検査進捗は色分けで表示されるため、一目瞭然 提供:プライム ライフ テクノロジーズ
設計情報(左)と検査項目(右)の画面
設計情報(左)と検査項目(右)の画面 提供:プライム ライフ テクノロジーズ
フロア選択画面から平面図で進捗状況の確認
フロア選択画面から平面図で進捗状況の確認 提供:プライム ライフ テクノロジーズ

 CONSAITの最大の特徴ともいえるのが、AIカメラの「CONSAIT Eye」だ。パナソニックが独自開発したAI搭載のカメラは、鉄筋本数、ピッチ、径を自動検知し、数値化する。

 従来は熟練技術者の目視測定に頼っていた作業をAIが補完することで、若手にも任せられるようになる。しかも数値化による客観的なエビデンスが残るため、熟練者の確認作業も容易で検査品質の標準化につながる。

 現場デモに立ち会った社員は「AIと人が協力することで、“なんちゃってチェック”を防ぎ、誰が担当しても同じ品質の検査が実現する」と評価した。

 AIカメラは4K対応の3眼ステレオ方式を採用し、ARスケール機能も備え、鉄筋間隔を高精度に測定する。AIカメラはレンタルで提供し、現場導入のハードルを下げている点も普及の追い風となっている。

CONSAIT Eyeのデモンストレーション
「CONSAIT Eye」のデモンストレーション 筆者撮影

 CONSAITの直近の機能追加では、音声入力機能を搭載した「CONSAIT Pro仕上検査」を2025年10月29日にリリース。騒音環境にも対応した話すだけで指摘事項の自動記録をはじめ、発話内容に応じた業者の自動入力と振り分け、鳥かご表による進捗管理といった機能を搭載。仕上検査のアプリを追加することで、CONSAITは施工の最終工程までをカバーする包括的なプラットフォームへと進化する。

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