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熊谷組らがチューリッヒ工科大学と開発した「巨大ロボットハンド」公開 奈良先端大の「自動掘削AI」も披露:無人化施工(2/4 ページ)
筑波大学、熊谷組、奈良先端科学技術大学院大学は、自然災害発生時の復旧作業での活用を想定した建設用ロボットハンドと、自動掘削AIの動作実験を公開した。ロボットハンド技術は、チューリッヒ工科大学との国際共同開発し、壊れやすい物体でも柔らかく把持できる。自動掘削AIは「Sim-to-Real」強化学習を応用し、現場環境に合わせた最適な施工方法を自ら立案して、掘削と同時に地中埋設物もすくい取る自動化施工の技術だ。
人間の手の器用さと機械の力強さを融合した大型ロボットハンド
ロボットハンドは、スイス連邦工科大学 チューリッヒ校(チューリッヒ工科大)のソフトロボティクス研究室が中心になって開発し、人間の3倍スケール。4本指でワイヤ駆動方式をとっている。材質はTPUとポリカーボネートを素材に3Dプリンタで製作した。
手袋型のインタフェースで直感的な遠隔操作ができ、34キロの大型土嚢袋を持てるだけでなく、バケツやホース、生卵もつかめる。最初は排水装置などを柔らかくつかみ設置することを想定して開発を始めたが、作り始めると「もっといろいろなことに使えるのではないか」と考えるようになったという。「現場の声を聞きながら、使える場所にはどんどん応用していきたい」と永谷氏は語った。
筆者撮影YouTube動画「建設ロボット用ロボットハンドのデモ バケツをつかむ」
今回は熊谷組 筑波技術研究所 実験フィールドで、熊谷組で開発を進めている3トンクラスの建設ロボットに搭載し、災害発生時の活用を見据え、さまざまな対象物の把持作業を実演した。
筆者撮影YouTube動画「建設ロボット用ロボットハンドのデモ ホースをつかむ」
デモ途中で雨が降ってきたが、ハンド先端部分には電子部品がないので、根本をカバーしただけで問題なく動作した。今後は、重機とハンドの操作を統合し、ワンオペで直感的に操作できるようにする。
筆者撮影YouTube動画「建設ロボット用ロボットハンドのデモ 土嚢を運ぶ」
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