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AIモデルが「表層崩壊危険斜面」抽出、土砂災害対策支援で応用地質が全国マップを開発AI

応用地質は、近年増加傾向にある土砂災害対策支援として、応用地形判読士の技術を学習したAIモデルが抽出した「表層崩壊危険斜面」の全国マップを開発した。検証の結果、AIの抽出精度を示す再現率は88%、適合率は66%だった。

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 応用地質は2024年10月11日、近年増加傾向にある土砂災害対策支援として、応用地形判読士の技術を学習したAIモデルが抽出した「表層崩壊危険斜面」の全国マップを開発し、Webサイトでサンプルマップを公開したと発表した。

 抽出箇所について検証した結果、再現率(AIの抽出精度)は88%、適合率は66%だった。危険斜面の土砂災害対策支援の事前情報として活用が見込まれるとして、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第二期「国家レジリエンス(防災/減災)の強化」の土砂災害にかかる情報として活用された。

「表層崩壊危険斜面全国マップ」の地形図イメージ
「表層崩壊危険斜面全国マップ」の地形図イメージ 出典:応用地質プレスリリース

 全国マップでは、土砂災害の発生の起点となる「0次谷(ぜろじだに)」や「長大斜面」などの危険個所を示している。0次谷は、2万5000分の1地形図や航空レーザー測量結果を使用して等高線のへこみ具合を眺め、へこんでいる等高線群の間口よりも奥行きが小さい地形。長大斜面は直高30メートル以上の斜面を指す。

 表層崩壊危険斜面は、2万5000分の1地形図をもとに、自社所属の応用地形判読士の地形判読技術を学習したAIモデルが抽出した。応用地形判読士は、地形と地形判読に関する知識を持ち、地形リスクを判断できる応用能力を習得した技術者で、全国地質調査業協会連合会が認定する。

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