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建機の電動化とスマートコンストラクションで、コマツが仕掛ける建設現場の未来変革第6回 建設・測量生産性向上展(2/3 ページ)

大手建設機械メーカーのコマツと、NTTドコモやソニー、野村総合研究所の4社共同で設立したEARTHBRAIN(アースブレイン)は、建機の電動化というハードと、建設生産プロセス全体のあらゆるデータをICTで有機的につなぐ「Smart Construction」のソフトの両面で、建設現場をデジタルで変革する未来図を描いている。

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 コマツ カスタマーサポート 商品・分野サポート部 GM 伊藤喜一氏は、今回ブースで多種多様な電動建機を展示した狙いを「電動建機の現在地と未来を考えるきっかけとなれば」と話す。

 現在、さまざまな建機メーカーが電動化を進めており、GX建設機械認定制度など国の後押しも追い風となっている。しかし、電動建機が普及するには、ユーザー側に使ってみたいという機運が高まることが欠かせない。そのために伊藤は、「最新の電動建機を1機種見せるのではなく、ラインアップを一堂に展示し、電動建機で実現する様々な角度から可能性を感じとってもらう必要がある。多彩な建機に触れて、自社ならばこういった工程や用途に活用できるという未来像を思い描いてもらいたい」とブース構成の意図を説明する。

今回展示された建機のなかで最小の電動マイクロショベル「PC05E-1」。ホンダ社のリチウムイオン電池パック「Honda Mobile Power Pack e:」バッテリーを2つ搭載
今回展示された建機のなかで最小の電動マイクロショベル「PC05E-1」。ホンダ社のリチウムイオン電池パック「Honda Mobile Power Pack e:」バッテリーを2つ搭載

 伊藤氏は、電動建機にはコストや連続駆動時間、充電用のインフラ整備など、課題が山ほどあるが、ユーザーに認知されて普及することで市場原理が働き、建機の改良や環境整備にもつながると期待を寄せる。「認知>比較/検証>トライアルを経るのが一般的なカスタマージャーニーだとすると、電動建機は現在、認知の終盤にあたる。各社の電動建機が出そろってきたので、これからは製品仕様や機能の比較/検証のステップに進んでいくだろう」(伊藤氏)。

建設生産プロセスのデジタル化で、業界の課題解決に導く

 もう1つの商品群は、EARTHBRAINの「Smart Construction」シリーズだ。Smart Constructionは、調査、入札、施工、検査の建設生産プロセスを「可視化」「課題発見/分析」「最適化」の3つのレベルでデジタル化。デジタル化した作業タスクをリアルの現場で実行することで、施工の最適化につながり、労働力不足の解消や作業時間の短縮、安全性の向上、低コスト化といった建設業界が抱える課題を解決する。

 具体的なソリューションの1つ「Smart Construction Fleet」は、スマートフォンなどのGPS端末を建機やダンプなど車両に設置したり、作業員が携帯したりすることで、人の位置情報や車両の運搬回数、サイクルタイムなどの稼働状況をモニタリングして、リアルタイムに「可視化」するスマホアプリ。現場の状況を常時把握できるため、オペレーターへの適切な指示やスムーズな積み込み準備などに役立つ。管理者とオペレーターが音声やメッセージでコミュニケーションを取れる機能を実装し、休憩指示や危険エリアでの注意喚起などにも使える。

 「Smart Construction Dashboard」は、土木工事の進捗管理を見える化し、「課題発見/分析」が可能になるソフトウェア。ドローンによる起工測量データや建機の刃先のデータから施工中の地形データを取得し、現場を高精度なデジタルツインで再現。離れた場所でも出来形や断面形状の確認、残り土量や累積の施工土量の算出などが可能になる。

「Smart Construction Dashboard」は、過去の測量データもさかのぼって確認できるため、工事の振り返りにも役立つ
「Smart Construction Dashboard」は、過去の測量データもさかのぼって確認できるため、工事の振り返りにも役立つ

 「Smart Construction Simulation」は、高精度な3Dモデルを使って施工時に発生する問題点を計画段階から可視化し、施工の最適解を抽出=最適化することで生産性を飛躍的に向上させる。AIを用い、最適な運土計画、施工順序を立案し、建機の施工で培ったアルゴリズムをもとに適切な建機の配置=稼働率を算出する。

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