2024年の賃上げ予定企業、建設業では87.8％に 大企業と中小企業で実施率の差が拡大：調査レポート（1/2 ページ）

東京商工リサーチによると、2024年度に賃上げを予定している企業は85％を超え、建設業では87.8％に達していることが分かった。一方で賃上げ率の中央値は前年度を下回り、建設業でも同1ポイント減の3％にとどまった。

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　東京商工リサーチは2024年2月20日、2024年度に賃上げを予定する企業が85.6％に達し、定期的な調査を開始した2016年度以降で最高を更新したと発表した。建設業では平均をやや上回る87.8％で賃上げすることが明らかになった。

賃上げを予定する企業の割合は定期的な調査開始以来最高を更新した　出典：東京商工リサーチ発表資料

産業別賃上げ率　出典：東京商工リサーチ発表資料

　一方で賃上げの実施率を規模別にみると、資本金1億円以上の大企業が93.1％（前年度89.9％）と9割を超えた一方、中小企業は84.9％（同84.2％）で、8.2ポイント（同5.7ポイント）の差が生じている。前年度と比較して、賃上げする体力や収益力の差で二極化が拡大していることが浮き彫りとなった。建設業でも大企業100％に対し、中小企業は87.1％と、12.9ポイントの差がついた。

大企業と中小企業の間で、賃上げする体力や収益力の差が拡大傾向に　出典：東京商工リサーチ発表資料

　また、全業種の2024年度の賃上げ率中央値は、前年度0.5ポイント減の3％となった。10業種中8業種で前年を下回り、建設業でも同1ポイント減の3％にとどまった。

レンジ別賃上げ率（左）と業種別賃上げ率中央値（右）　出典：東京商工リサーチ発表資料