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痒いところにまで手が届く測量機器で、建設現場のデジタル化に貢献するマイゾックス第5回 建設・測量生産性向上展(1/2 ページ)

マイゾックスが「第5回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2023)」に展示した「GEO WALKER」は、手軽な操作で高精度測位が可能なRTK-GNSS受信機。他社との連携機能もあり、価格とサポート体制で類似製品との差別化を図る。他にも、スマートデバイスホルダーやフレックスポインターなど、現場の生産性向上を実現するさまざまな商品が展示されていた。

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 測量・土木・建築関連機器の企画から、開発、設計・デザイン、製造、販売までを手掛けるマイゾックスは、「第5回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2023)」(会期:2023年5月24〜26日、幕張メッセ)で、計測機器のデジタル化の流れに対応する主力製品を紹介した。

計測をもっと手軽に、快適にするGNSS受信機

マイゾックスの展示ブース
マイゾックスの展示ブース 写真は全て筆者撮影

 ブース前面に展示されていたのは、ハンディタイプの2周波RTK-GNSS受信機「GEO WALKER」。

 GNSS(Global Navigation Satellite System)とは、米国のGPS、日本のQZSS(「みちびき」)、ヨーロッパのGalileo、などの衛星測位システムの総称。

 RTK(Real Time Kinematic)は、位置を測位する方法の一種。基準局と移動局の2つの受信機で衛星の電波を受信し、基準局から移動局に送信される位置補正情報をもとに相対的に位置を測定するため、GNSS単独よりも高精度(誤差数センチ)で測位できる。さらにGEO WALKERは、周辺の電子基準点から補足情報を得るネットワークRTKにも対応し、現場付近に基準局を設置しなくても使用可能だ(補正情報取得のためには、別途、配信会社と契約が必要)。

2周波RTK-GNSS受信機「GEO WALKER」
2周波RTK-GNSS受信機「GEO WALKER」

 操作は、モバイル端末にインストールした専用アプリ「GEO WALKER App」(Android OSのみ)で行い、専用コントローラーを用意する必要はない。

 電源には、単3電池(6本)を採用。ニッケル水素充電池使用時で約9時間の使用が可能で、通常の現場ならば、1日使用しても電源を気にする必要がない。また、万が一途中で電源が切れても、電池交換するだけすむので、現場対応も容易だ。本体とそれを取り付けるポールと合わせても約2キロの軽量設計で、1人1台で業務をこなせるため、作業効率の向上も期待される。

 さらに担当者が、GEO WALKERの特徴であり強みと強調するのが、他社製品(アプリ)との連携機能だ。「当社が用意した専用アプリでも、記録した測位データをもとに測量観測手簿・起簿を自動生成できる。ただし、NMEA出力、端末位置情報を使用することで、福井コンピュータ『FIELD-TERRACE(フィールドテラス』や建設システム『快測ナビ アドバンス版』など、市場占有率の高い他社ソフトと連動できることが、GEO WALKERの特長だ。データの利活用に関しては他社の優れた製品に任せ、GEO WALKER自体は受信や扱いやすさに特化することで、価格を抑えられ、結果として、GNSS受信機を導入しやすい環境の提供につながる」(担当者)。

 GEO WALKERは、2021年11月に販売を開始した製品で、前回のCSPI-EXPOでも展示されていた。今展も引き続き、同製品を展示した理由をブース担当者は、建築/土木業界でのGNSS受信機の利用は拡大しつつあるものの、裾野まではまだ浸透しきっていないとし、「機能の制限はあるものの、低価格で導入しやすい当社の製品の利用が全国でさらに進むよう、引き続きアピールしていきたい」との意気込みを語った。GEO WALKERの本体価格は60万5千円(税込)。数百万円台というGNSS受信機もあるなかで、比較的導入しやすい価格に設定されている。

 ただし、販売から1年半が経過し、世界的に見ても2周波RTK-GNSS受信機の低価格化が進んでおり、さらなる利用拡大のためには、価格以外の戦略も必要だという。担当者は、「当社の販売店は全国にあり、サポート体制が充実している点は他社との差別化のポイントとなるので積極的に発信していきたい。さらに、土地家屋調査士や大手の建設・土木建設企業に所属する設計者など、潜在的なユーザーにも利用のメリットをアピールし販路拡大を進めたい」との力強く語った。

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