1都3県中古マンション価格を予測「横ばい基調も高い水準で推移。23区は売主の強気な姿勢が続く」:調査レポート(1/2 ページ)
マンションリサーチは、東京都、神奈川県、埼玉県の1都3県における中古マンション価格のトレンドを予測した。レポートによると、1都3県の中古マンションは価格下落の圧力が働いているが、価格はいずれも横ばい基調にあるものの高い水準で推移していると分析している。
マンションリサーチは2023年4月20日、2023年3月までの東京都、神奈川県、埼玉県の1都3県エリアの中古マンション価格推移や在庫数、在庫回転率、価格改定数をもとにした分析レポートを公表した。
東京23区の中古マンション価格は、2022年下半期から高止まり
レポートによると1都3県都市圏の中古マンションは、いずれのエリアも在庫数が増加している中、販売戸数は減少傾向になっている。需要と供給の観点では、価格下落の圧力が働いているが、価格はいずれも横ばい基調にあるものの、高い水準で推移しており、コロナ禍以降の売主側の強気な取引姿勢が大きく作用していると分析している。
在庫数の増加に伴って、全体としては強気な姿勢は軟化しつつあるが、東京都23区だけでは依然、価格改定数が少なく、売主側の強気な姿勢が続いている。今後も短中期的に価格が下落局面に入ることは考えづらいが、他のエリアと比較して最も価格下落の懸念が高く、在庫数/在庫回転率ともにコロナ前の水準に戻りつつある。特に条件の悪い物件は、既に動きが鈍くなっている可能性もあるという。
中古マンションの今後の価格予想では、東京都23区の中古マンション価格はいまだ高い水準で推移すると予想しているが、直近の数カ月は高止まり感があり、在庫数も増えている。在庫数はコロナ禍になってから減少傾向が続いていたが、2021年下半期から上昇に転じ、2022年3月末時点ではコロナ禍以前の水準に近づいている。
トレンドを示す数値である在庫回転率は、コロナ禍以前と比較してやや高く推移しているが、在庫回転率もコロナ禍以前の水準に戻りつつある。不動産仲介担当者の行動を示す価格改定数は、基本的に在庫件数と連動するが、2022年下半期から在庫数が増えているにもかかわらず、価格改定数は大きく減少している。
なお、東京都23区の中古マンション価格は、依然として高水準で推移しているものの、2022年下半期から高止まりの様相を見せている。在庫数や在庫回転率から見れば、下落圧力が強いマーケットなのに対し、価格は高騰基調こそ見られなくなったが高水準を維持。さらに価格改定数も少ないため、強気な取引姿勢が見られる。
市場原理と反する動きを見せている要因に考えられることとして、成約数が減少する中で、駅近など好条件となる物件の比率が高まってい点を挙げる。市場が活性化する際には、好条件の物件から価格が上がっていき、停滞していくときには条件が悪い物件から先に動きが鈍くなる。こうした傾向は2022年下半期から始まり、2023年3月時点ではさらにこ動きが加速している。
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