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“5G”普及のカギは通信キャリアが設備を共有する「インフラシェアリング」 屋内5Gで450物件を目指すJTOWERの事業戦略5G(1/3 ページ)

5Gの普及に欠かせない、複数の通信キャリアがネットワーク設備を相乗りする「インフラシェアリング」。日本初のインフラシェアリング事業者として、屋内外の5Gネットワーク設備を提供するJTOWERが構想する事業戦略のビジョンとはどのようなものか?

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 国内インフラシェアリング企業のJTOWERは2023年3月17日、東京都港区南青山の東京本社で、事業説明会と新たに開設した「JTOWER TECH LAB. Tokyo」の見学会を開催した。

 インフラシェアリングとは、簡単に言えば、携帯キャリア各社がバラバラに保有/整備しているネットワーク設備の共有を指す。設備を共有することで、設置/運用/保守にかかるコストを削減できる他、全体の設備数を抑えられることで、設備設置に必要な資材や工事回数、設備運用時の消費電力の総量が減り、環境負荷の低減にもつながる。政府が進める「デジタル田園都市国家構想」でも注目される技術だ※1

※1 「新しい資本主義実現会議コンセッション等に関するワーキンググループ第2回会合(2022年4月12日)」資料3 総務省提出資料「資料6-1 デジタル田園都市国家構想の実現に向けたデジタル基盤の整備について参考資料」

堅調な成長を続ける屋内インフラシェアリング事業

 インフラシェアリング事業は、海外では既に広く行われているが、日本で初めて事業を手がけたのがJTOWERだ。

 事業説明会に登壇したJTOWER 代表取締役社長 田中敦史氏は、自社の優位性について、「2012年に他に先駆けて国内でのシェアリング事業をスタートさせて以降、蓄積されたノウハウがある」と語る。さらに、共用装置の独自開発、携帯キャリアとの業務提携を結ぶ信頼感、携帯キャリア4社への商用サービス提供など、テクノロジーやリレーション、実績や事業基盤面などでも、他社にない強みがあると強調した。

JTOWER 代表取締役社長 田中敦史氏
JTOWER 代表取締役社長 田中敦史氏 筆者撮影
JTOWERが考える自社の強み
JTOWERが考える自社の強み 提供:JTOWER

 JTOWERの事業内容は大きく3つに分類される。

JTOWERの事業構成
JTOWERの事業構成 提供:JTOWER

 その1つが「屋内インフラシェアリング(IBS:In-Building-Solution)」事業で、大型施設内で電波環境整備に必要なアンテナや配線、中継装置などの設備を共有する。

 JTOWERの共有設備導入物件数は近年、4G、5Gともに堅調の成長を続けており、2022年12月時点で国内の導入物件数(導入予定も含む)は4Gで405件、5Gで120件に上る。

IBS導入物件推移(国内)。右肩上がりの成長を続けている
IBS導入物件推移(国内)。右肩上がりの成長を続けている 提供:JTOWER

 物件あたり平均の参画キャリア数を示す「平均参画キャリア数(Tenancy Ratio)」も、2018年9月以降はおおむね2.6〜2.8付近で安定して推移。これは、JTOWERのIBSを導入した施設のほとんどで、日本の大手キャリア3社(NTTドコモ/KDDI/ソフトバンク)が共用設備を利用していることを意味する。

IBSのTenancy Ratioの推移
IBSのTenancy Ratioの推移 提供:JTOWER

 導入物件の種別は、商業施設や複合施設、ホテルオフィスビル、病院などが多くを占める。規模は、延べ床面積3万平方メートルを超えるような、キャリアが屋内対策を必要とする大型物件が中心となっている。

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