【独自分析】「建設技術者は増加も高齢化は深刻」国勢調査にみる建設技術者/技能工の動向:建設業の人材動向レポート(47)(2/3 ページ)
本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は、2022年末に公表された国勢調査の集計結果をもとに、建設技術者/建設技能工の動向を分析していく。
■建設技術者における女性活用
次に、建設業の女性比率では、他業種も含めた全職種における女性比率は、2000年の40.9%から、2020年には45.3%と、女性の割合が高まっている。一方で、建設技術者の女性比率は、極めて低いものの、2000年の3.4%から上昇傾向が続き、2020年には9.0%と、女性比率が高まっている。だが、建設業以外も含めた技術者全体の女性比率は12.5%なため、建設業で技術者として活躍する女性は増えているものの、他業種と比較するとまだ少ない(図表7)。
さらに、女性建設技術者の内訳では、2020年には建築技術者の女性比率が12.9%だったのに対し、土木測量技術者は5.5%。土木測量技術者は、女性比率の低さが顕著だと判明した(図表8)。
2.建設技能工の動向
■建設技能工の就業者数は減少傾向が続く
建設技能工数(建設・採掘従事者)で比較可能な2010年以降の推移は、2010年の266万3930人から2015年には256万2090人(2010年比3.8%減)、2020年には244万7470人(2015年比4.5%減)と、減少傾向が続いている(図表9)。人材不足による工事の遅れなどを防ぐためにも、建設技能工の確保は喫緊の課題となっている。
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