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スパイダープラスが解説する「2024年法適用で建設業界はこう変わる!」 オーク設備工業の対策事例も紹介2024年問題(1/3 ページ)

2019年4月に施行された「働き方改革関連法」により、長時間労働の是正や公平な待遇、女性の社会進出などの拡大が推進され、各産業分野で労働環境の変革が始まっている。なかでも重要課題とされる労働時間の適正化は、罰則付きの上限規制も設定され、建設業には5年間の猶予を経て、2024年4月から適用される。そのため、業界では新たな法規制に準じた労働環境を構築する必要があり、「2024年問題」として多くの難題に直面している。

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 スパイダープラスは、図面や施工進捗の管理アプリケーション「SPIDERPLUS(スパイダープラス)」を展開している創業25年のソフトウェアベンダー。主力商品のSPIDERPLUSは、建設現場の現場監督や作業員が、現場の施工管理や報告書用の写真撮影、データ整理、帳票作成などに使うタブレット/スマートフォン用のアプリ。

 クラウドを介して施工管理や図面も共有できるので、建設現場だけでなく、メンテナンスやプラント業界など、紙図面を使う業界で広く活用されている。スパイダープラスのCEO 伊藤 謙自氏は、もともと建設資材や施工管理など建設業の出身で、建設業界の課題を深く理解し、顧客と同じ目線で課題解決に取り組むことを社是に定めている。そのため、2024年問題はひとごとではない。

 2022年12月13日にスパイダープラスは、建設業の働き方改革関連法の適用開始に関わる「2024年問題」をテーマとするメディア向けセミナーを開催した。スパイダープラス本社とZOOMによるライブ配信のハイブリッド形式で行われたセミナーは、スパイダープラス社執行役員による2024問題のポイント解説と大手ユーザー企業による働き方改革成功事例を紹介した。

独自アンケート調査で浮かびがってきた「2024年問題」の問題点とは?

スパイダープラス 執行役員 法務責任者兼セールスグループ 海外営業部長 高橋俊輔氏
スパイダープラス 執行役員 法務責任者兼セールスグループ 海外営業部長 高橋俊輔氏 提供:スパイダープラス

 セミナー1部に登壇したスパイダープラス 執行役員 法務責任者兼セールスグループ 海外営業部長 高橋俊輔氏は、東京地方検察庁の検察官や民間法律事務所での弁護士として豊富な勤務経験を持つ。2022年にスパイダープラスに入社し、現在は法務責任者と海外事業のマネジメントも担当している。

 高橋氏が、働き方改革法案に関わる建設業界の課題としてまず挙げたのは、「長時間労働」だ。建設業は全産業と比較し、年間350時間超も労働時間が長い。もちろん、「人手不足」も深刻で、2020年に497万人いた建設業界の働き手は、2040年には287万人まで減少すると予測されている。そうした建設業界にも、2024年4月からは働き方改革法案が適用される。「長時間労働が当り前だったこの業界も、青天井の残業は不可能となるわけで、法改正の内容をしっかりと理解しておかないと法律違反を起こしかねない」と高橋氏は指摘する。

 もう1つの問題は、2024年問題の重大さを建設業界の多くの人が理解していないことにある。高橋氏によれば、スパイダープラスは2022年6月に建設業従事者約2700人を対象に大規模なアンケートを実施したが、その時点で働き方改革関連法案を「知っている」と答えた人は全体のわずか16.4%だった。言い換えれば、法改正を知っていたのは建設業従事者の6人に1人程度しかいない。

 こうした現状を踏まえると、どのような対策が考えられるだろうか。「働く時間が長い」ということは、それだけ「仕事量が多い」ということだ。「それなのに、仕事量は減らせず、人手も不足していくとしたら、その対策は一人一人の生産性を向上させるしかない。そのための最も有効なツールがSPIDER PLUSだ」と高橋氏は言葉を続けた。

セミナー会場
セミナー会場 提供:スパイダープラス

 前述の通り、働き方改革による労働時間適正化は、法改正で罰則付きの上限規制が設定され、大企業は2019年4月に、中小企業も2020年4月に適用が始まったが、建設業や運輸業など一部の業界のみ5年間の猶予が与えられた。では、なぜ建設業界などが適用を猶予されたのか?

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