積水ハウスと協力で企業緑地の「生物多様性評価」を強化、都市緑化機構:スマートシティー
都市緑化機構は、生物多様性保全推進プロジェクト「5本の樹」を進める積水ハウスの協力を受ける形で、都市緑化機構が運用する社会・環境貢献緑地評価システム「緑の認定 SEGES」での生物多様性評価を強化する。協力を通じ、都市緑地の生物多様性保全や回復を進めていく。
都市緑化機構は2022年11月30日、都市緑地の生物多様性保全や回復の推進に向け、生物多様性保全推進プロジェクト「5本の樹」を進める積水ハウスの協力を受ける形で、都市緑化機構が運用する「緑の認定 SEGES」の生物多様性評価を強化すると発表した。
生物多様性の定量評価で企業緑地の活動促進へ
SEGESは「社会・環境貢献緑地評価システム」と呼ばれ、社会や環境に貢献し、良好に維持されている企業緑地とその取組を第三者評価により認定する制度。2005年から運用されており、2022年10月現在で90の企業や団体、105カ所の緑地が認定されている。
これまでの民間企業による緑化推進活動は、都市での緑地保全や創出によるヒートアイランド現象の緩和、良好な景観形成、レクリエーションやコミュニケーションの場の提供などが評価されてきた。
しかし一方で、生物多様性の保全や回復の観点での貢献については定量的に評価することが難しく、企業立地が果たしている役割や価値を十分に評価したり、可視化したりすることができないという問題点があった。また、都市の緑化を推進してきた民間事業者所有の緑地が、生物多様性の保全や回復にどのぐらい貢献できるのかを客観的に示すことの重要性が高まっている。
そのため、生物多様性の定量評価が進み、都市緑化機構が認定する企業緑地が都市の生物多様性に貢献できているかを把握できれば、企業による積極的な活動の促進と、さらなる生物多様性の保全や回復に向けた具体的な取り組みの後押しが期待できる。
また、積水ハウスが計画する日本古来の“里山思想”を取り入れた生物多様性の保全推進活動「5本の樹」プロジェクトでは、日本各地の郊外にある里山と都市緑地がつながることで、生態系ネットワークの回復や保全が促され、都市に生物を招くことを目指している。
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