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【新連載】建設ICTで切り拓く、現場の安全衛生と生産性の向上―「建設ICTってなんだろう」建設ICTで切り拓く、現場の安全衛生と生産性の向上(1/2 ページ)

本連載では、建設業向けにICT製品を展開している日立ソリューションズの販売チームが、それぞれの専門分野を生かして執筆します。建設業の「働き方改革」につながる現場作業の生産性向上や安全衛生といった身近な業務改革を中心に、実例をベースにお伝えしたいと考えています。連載第1回は、基礎的な内容として、建設ICTとはなにか、ICT導入効果とはをテーマに解説していきます。

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 本連載では、各回でテーマを設定し、「検査・点検」を対象とした省人化や省力化、現場の安全衛生を支援する建設ICT、デジタル技術によるプロジェクト管理(施工管理)の変化などの解説を予定しています。業務を支援するツールとしてさまざまな建設ICTが登場しますが、ICT初心者にも分かりやすく紹介していきたいと思います。

 初回は、ウオーミングアップとして、建設ICTとはなにかに加え、ICT導入効果について解説していきます。

2024年4月には建設業の残業規制が施行

 この数年、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉がバズワードのように使われており、BUILT読者の中には「DXなんて耳タコだよ…」と呟(つぶや)いておられる方もいるのではないでしょうか?

 最近は、DXにプラスして持続可能性に重きを置いた「SX(サステナビリティトランスフォーメーション)」というワードも使われ始めていますが、人手不足や労働安全、生産性の向上などの課題を抱える建設業界では、「建設DX」が重要なキーワードでしょう。

 2024年4月1日には、建設業界でも「働き方改革関連法」の時間外労働の罰則付き上限規制が適用されます。そもそも、「人手が足りない」「後継者がいない」「労働環境が厳しい」と叫ばれているところに適用されるわけですから、業界としては厳しいものがあります。

 しかし、働き方改革に終わりはなく、建設ICTソリューションを提供するソフトウェア業界も、2019年の働き方改革関連法の適用から2022年の現在に至るまで、さまざまな試みをトライ&エラーしながら継続しています。そういった経験から考えると、2024年までに生産性向上や労働環境の改善といった対策や対応を積極的に行わない企業は、働き方改革関連法にかなり苦戦を強いられることになるでしょう。


建設業界は働き方改革待ったなし! 出典:AdobeStock

 こういった状況を打破したいという想いもあり、建設DXが魔法の言葉のように使われていますが、その本来の意味とは何でしょうか?

 経済産業省の「DX推進ガイドライン」では、DXは以下のようにスケールの大きなテーマで定義されています。

 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

 「データとデジタル技術を活用」という部分がまさに「ICT」に置き換わる箇所と言えます。建設DXを成功させるには、単純に「BIM(Building Information Modeling)」や「CIM(Construction Information Modeling)」といったツールを導入すれば、全て解決するものではなく、推進に向けた組織作りや現場のICTスキルの向上、コスト管理などさまざまな要素が絡んできます。

 ICTという言葉も、初心者には分かりづらいワードかもしれません。ついこの間までは、IT(Information Technology:情報技術)という略称が主流でしたが、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)は、従来のITに“ネットワーク技術を活用したコミュニケーション機能を強化したもの”と考えてよいでしょう。

 そうなると建設ICTとは、「建設業向けの情報通信技術」と言い換えられます。建設ICTを「調査・設計・施工・維持管理・修繕の一連の建設生産システムにおいて、効率化・高度化による生産性向上に寄与する情報通信技術」と定義しているWebサイトもあります。

 ICTの導入により、建設現場には大きく3点の効果があると考えています。

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