五洋建設が北海道の仮設現場事務所で省エネ率80%を達成、「Nearly ZEB」を取得:ZEB
五洋建設は、北海道札幌市の仮設現場事務所で、太陽光発電による創エネルギーを含めた省エネ率80%を達成し、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」における「Nearly ZEB」の認証を取得した。
五洋建設は、工事現場でCO2の排出量を削減する取り組みの一環として、北海道札幌市にある「北海道警察学校新営(4期)21新築工事(北海道開発局発注)」の仮設現場事務所で、太陽光発電による創エネルギーを含めた省エネ率80%を達成し、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」における「Nearly ZEB」の認証を取得したことを2022年5月31日に発表した。
太陽光パネルは現場事務所近くの敷地に傾斜をつけ設置
同社はこれまで、佐賀県鳥栖市の博物館「久光製薬ミュージアム」などの建築工事で「ZEB」やNearly ZEBの認証取得、施工、創エネ・省エネ効果のモニタリングを実施してきた。
さらに、保有する技術研究所の改修工事などで省エネ技術の実証を行い、ZEBの計画に関する知見を蓄積するとともに、顧客にZEBを提案している他、北海道室蘭市の「室蘭製作所新工場」では、事務所棟だけでなく工場全体をZEB化するとともに、水素エネルギーの利用と実証を進め、カーボンニュートラルへの取り組みを推進している。
今回の現場事務所における省エネ化では、カナモトの協力を得て、ユニットハウスの断熱性を強化しただけでなく、寒冷地であることを考慮して、エクセルシャノン製の樹脂サッシ(Low-Eガラス仕様)を採用し、断熱性の向上を図った。加えて、LED照明や人感センサーの設置で照明負荷を低減し、寒冷地用の高効率空調機器なども導入した。
上記の取り組みによる省エネ化でエネルギー削減率58%を達成している。また、創エネルギーとして太陽光発電設備(12キロワット)を設け、現場事務所で使用する電力の22%を創出し、省エネと創エネをあわせて80%のエネルギー削減率を達成した。
事務所で利用している太陽光パネルは、冬季における雪下ろし時の安全性や維持管理などを考慮し、現場事務所近くの敷地に傾斜をつけ備えた。
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