大林組がビジュアル工程管理システムを改良、工事別進捗をリアルタイムに管理:BIM
大林組は、2021年7月に発表したビジュアル工程管理システム「プロミエ」の機能を拡充し、BIMを情報基盤とする現場施工管理のプラットフォームとして、建設プロジェクト全体の管理に使えるビジュアルプロジェクト管理システムに改良した。今後は、プロミエの機能拡充を継続するとともに、業務の効率化と生産性向上を推進していく。
大林組は、2021年7月に発表したビジュアル工程管理システム「プロミエ」の機能を拡充し、BIMを情報基盤とする現場施工管理のプラットフォームとして、建設プロジェクト全体の管理に使えるビジュアルプロジェクト管理システムに改良したことを2022年5月16日に発表した。
請求処理時の出来高数量算出に要する時間を約20%短縮
従来のプロミエは、画面上でBIMモデルと部材の一覧表、計画と実績の進捗を比較する場合に、2画面表示する機能がなかったため、表示の切り替えが都度必要となり利便性に欠ける部分があった。
今回、アップグレードしたプロミエは、操作性向上のためにマルチ画面化し、プロジェクト内における複数の工事を効率的に一元管理する他、ユーザーごとのアクセス権限を設定することで、施工管理者は、プロミエ上で施工部材の製作状況や現場の施工進捗状況などを、顧客や設計者、協力会社に情報共有できる。
さらに、自動で実存判定※1を行う機能を備え、これまでに比べて施工管理用のBIMプラットフォームとしての完成度が向上した。
※1 自動で実存判定を行う機能:BIMモデルと点群データを重ね合わせ、BIMモデルに内包される一定数の点群データが存在することで、所定の位置に部材が配置されたことを認識し、実績として判定する機能。
具体的には、マルチ画面化により、BIMモデルと部材の一覧表を並べて情報を確かめられ、計画と実績の進捗を比べられるだけでなく、画面の表示は1画面と2画面の切り替えが可能で、それぞれの画面は「3D標準」「3D計画」「3D実績」「3D進捗」「一覧表」から選べ、2画面は連動しており、アングルや選択部材が同期して表示される。
さらに、BIMモデルが持つ数量情報と実績データに基づいて出来高数量を算出し、グラフや表を表示する。算出された出来高数量は、専門工事会社と共有し、帳票出力機能で出力した出来高帳票を毎月の請求処理に利用するだけでなく、試行現場では、施工管理業務の効率化が図れ、請求処理時の出来高数量算出に要する時間を約20%短縮した。
また、BIMモデルと点群データの重ね合わせにより自動で実存判定を行う機能を搭載しており、点群データ取得日の進捗実績データとして反映する。この機能を活用することで、実績データの取得や反映を効率良く確実に行える。
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