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次世代の中型ホイールローダー「Cat 966」国内初披露、“生産性は正義”で脱炭素施工と両立第4回 建設・測量生産性向上展(2/3 ページ)

Cat製品を製造するメーカーの日本法人キャタピラ―ジャパンは、燃費効率やメンテナンスコストの低減だけでなく、一見すると相反しそうな生産性も両立させた次世代ホイールローダーを日本市場に投入した。

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ダンプ積み込み時間が短縮され、荷待ち渋滞も解消

 オプションの「Catアドバンスドペイロード」は、追加のセンサーでこれまでよりも格段に高精度な計量が可能になり、リップオフアシストで目標重量になるようにバケットを自動で振って調整する「チップアシスト」の機能を備える。

 仮に10トンをトラックに積む場合は、モニター画面にバケット内の積載量に加えて、トラック内に合計積載量も表示されるため、4トン2回と最後に2トンを自動で調整して積むだけで済み、その都度の確認作業が無くなり、時間短縮による現場内でのダンプ渋滞も解消される。


「Cat 966」のコクピット内の右下モニターが「Catアドバンスドペイロード」専用。左側がトラック内の合計重量、右側がバケット内の重量

「Cat 966」のパフォーマンスシリーズバケット。広い間口と底部を長くすることで、荷入りとマス切りの性能が高まった。サイドは弓状で荷こぼれしにくい設計

 低炭素施工の面では、土砂の掘削時に自動でタイヤをロックする「オートセットタイヤ」を標準装備。土砂にバケットが突っ込むと、熟練者による微細なリフトアップの操作をしなければ、タイヤが空転してしまい、バケットを持ち上げても、十分な量をすくい上げられないことが少なくない。

 オートセットタイヤは、積込む材料の状態をモニタリングし、土砂にバケットが入ると、タイヤを自動ロックし、タイヤのスリップを防止。タイヤ固定により、フロントタイヤに荷重が掛かり、バケットの貫入力が増すことで、初心者でもバケット内に適切な量を積み込めるようになり、積載量換算で有ると無しでは14%もの差が生じるという。ベテランにとっても、より施工精度が上がることは間違いなく、必要がないときはOFFにして機能を使い分けられる。

 そのため、タイヤ空転の無駄なエネルギー消費が無くなり、摩耗が減ることでタイヤそのものの寿命延長となり、施工段階での低炭素化がもたらされる。


「オートセットタイヤ」の仕組み

 また、損なうことができない生産性の面では、「レバーステアリング」の機能を実装。コックピット内から丸ハンドルと操舵装置となるステアリングコラムを無くし、レバーの少ない動きだけで車体をコントロール。直感的な操作感と、オペレーターの疲労軽減、前方視界の拡大が実現する。自動掘削システム「オートディグ」も標準装備し、掘削から任意の高さまでのリフト上げを自動で行う。操縦者は、アクセルワークのみでレバーに触れることなく掘削作業が完了し、技量に頼らない安定的な施工品質が保てる。


コクピットで説明する製品担当 冨永安生氏。ハンドルが無くなったことで前方の視野が広がった

レバー角度=アーティキュレート角度での直感的な操作性に

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