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“非建設分野”の収益を全体の約35%へ、カーボンニュートラルに向けた清水建設の挑戦第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(1/3 ページ)

清水建設は、「スマートイノベーションカンパニー」のスローガンのもと、2030年におけるレジリエント、インクルーシブ、サステナブルの3つのキーワードを実装する社会実現を目指している。その先進事例としては、石川県金沢市の同社北陸支店の新築や東京都中央区本社の改修工事などが挙げられる。

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 清水建設 取締役 副社長執行役員/LCV事業本部長 山地 徹氏は、建築総合展「第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2021年12月6〜8日、東京ビッグサイト)で、「脱炭素社会実現に向けた取組み〜カーボンニュートラルパートナー〜」と題する基調講演を行った。

清水建設が2010年代から注力するZEBと再エネ


清水建設 取締役副社長執行役員 LCV事業本部長 山地徹氏

 山地氏が本部長を務めるLCV事業本部は、施設竣工後の運営管理サービスを提供するBSP(Building Service Provider)、インフラ運営、エネルギー運営などの機能を集約した部署となる。冠となっているLCVはLife Cycle Valuationの略で、施設やインフラなどのライフサイクルにおいて、その価値を高めるサービスを展開する。LCV事業部門そのものは2017年に新設し、山地氏は2021年から現職に就いている。

 講演では、2018年時点で約1割だった「非建設」の事業を、2030年度には約35%までに拡大する数値目標を示した。清水建設の非建設事業には、エンジニアリング事業、LCV事業、フロンティア開発、投資開発などの部門で構成。山地氏は、非建設部門のうち、投資開発を除く3つの部門を担当している。


2018年度比で、2030年度には「非建設事業」の収益比率を35%にする計画

 清水建設は、早い時期から脱炭素化社会の実現に向けて取り組んでいる。2010年代には、ZEB(Net Zero Energy Building)と再生可能エネルギーに注力している。

 ZEB化の事例としては、2012年にCO2排出量62%削減を達成した本社を筆頭に、「森の中のオフィス」(2013年)、「秋葉原アイマークビル」(2017年)。一方の再生可能エネルギーでは、「赤穂太陽光発電所」(2014年)、「大洞山ウィンドファーム」(2018年)が代表例となる。


脱炭素社会の実現に向けた取り組み

2030年に「スマートイノベーションカンパニー」を目指すシミズグループのビジョン

環境認証を取得した本社ビルと、最新設備を投入した北陸支店

 このうち、本社ビルは、太陽光発電パネルを組み込んだハイブリッド外装や放射空調とデシカント外調機による効率的な省エネ機能などを導入。2012年に竣工し、LEED GOLD認証やCASBEEでSランクを取得している。また、2015年には、この規模の建物としては初の環境省カーボンニュートラル認証を得ている。


2012年に竣工した清水建設本社ビル。太陽光発電パネルを組み込んだ外装や放射空調などを整備

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