調査リポート
「建設業で若者就職者の減少は改善も、さらなる若者層の獲得が必要」年齢層別の採用状況:産業動向(2/2 ページ)
建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2021年12月分のマンスリーレポートを公表した。今月は、厚生労働省の「雇用動向調査」をもとに建設業における若者層と高齢者層の就職者について分析した。
■深刻な高齢化が進む建設業では、若者層の獲得がさらに必要
少子高齢化が進むなか、建設業では若者層就職者の減少率と高齢者層就職者の増加率が、ともに他産業よりも比較的低く抑えられているため、若者層と高齢者層に偏らない、バランスよい人材獲得ができていると推測される。
一方で、他産業と比較して、既存従業員の深刻な高齢化が進んでいる建設業界では、就業者の年齢層の再構成を進めていくことが必要となる。そのためにも今後は、さらに若者層の獲得に注力していくことがより求められる。
■就業者数/雇用者数ともに、6カ月連続前年同期比で減少
月次の雇用関連のデータでは、2021年10月の建設業の就業者数と雇用者数の推移をみると、就業者数は487万人(前年同月比97.4%)、雇用者数は398万人(同97.5%)で、ともに前年同月比で6カ月連続の減少となった(図表3)。
■新規求人数は、11カ月連続で前年同期比を上回る
公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は7万7746人(同102.4%)と前年同月比で11カ月連続で増加した(図表4)。
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