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冷媒の漏えい検知・フレア加工不要・消費電力7%削減の新型エアコン、ダイキン工業製品動向(1/3 ページ)

ダイキン工業は、ビル用マルチエアコン「VRV」や店舗・オフィス用エアコン「スカイエア」、店舗・オフィス用マルチエアコン「machi マルチ」シリーズの新型を開発した。新型は「冷媒漏えい検知機能」「システムでの省CO2化」「フレアレスジョイント」といった新機能を備えている。今後は、こういった機能を同社のエアコンに搭載するために、1100機種以上のモデルチェンジを行う予定だ。

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 ダイキン工業は2021年8月25日、都内で記者発表会を開き、気候変動などの環境問題や空調機の施工技術者不足、コロナ禍の空気質改善へのニーズに応えるために、ビル用マルチエアコン「VRV」や店舗・オフィス用エアコン「スカイエア」、店舗・オフィス用マルチエアコン「machi マルチ」シリーズの新型を開発し、2021年10月から順次発売することを発表した。

 会場では、ダイキン工業 空調営業本部 副本部長 兼 事業戦略室長 石井克典氏と空調生産本部 マルチ商品グループリーダー 主席技師 堀靖史氏が新型の機能と特徴について紹介した。

冷媒の漏えいを防ぐ新機能

 近年、国内の政府や企業では、2050年までにCO2をはじめとした温室効果ガスを実質ゼロとすることを目標とした「パリ協定」や地球温暖化の問題を考慮し、脱炭素の取り組みを推進している。なかでも、一般的なオフィスビルで消費エネルギー量のうち約40%を占める空調機器の省エネ化によるCO2の削減は注目されている。


「パリ協定」の目標のイメージ 提供:ダイキン工業

 また、空調機器を取り付ける設備工事業者を含む建設業では、就業者数が、ピーク時の1997年と比較して、2015年には約27%減少しており、空調機器には建物に効率的に設置できる機能が求められている。さらに、飲食業では、新型コロナウイルス感染症の影響により設置した個室に最適な空調機器のニーズが高まっている。

 上記の需要を踏まえて、ダイキン工業は、2021年度のコンセプトとして、「脱炭素・持続可能な社会に向けた取り組み」「空調機器の施工技術者不足への対応」「コロナ禍による社会変化への対応」を掲げ、今回の新型を開発した。

 新型は、新機能として、「冷媒漏えい検知機能」「システムでの省CO2化」「フレアレスジョイント」を備えている他、室内機の清浄性を向上する「清潔アルミフィン」と「抗菌・防カビフィルター」を搭載している。


「冷媒漏えい検知機能」のイメージ 提供:ダイキン工業

ダイキン工業 空調営業本部 副本部長 兼 事業戦略室長 石井克典氏

 冷媒漏えい検知機能は、冷媒漏れを空調機の室内機に搭載されたセンサーで毎日診断し、室外機のIoT端末でクラウドサーバにアップロードして、センシングの結果を残せる。万が一冷媒漏れが発生した場合には、管理者が所有するスマートフォンやタブレットにメールで通知し、迅速な対処を後押しするため、環境負荷の低減につながり、冷媒漏れによる空調停止のリスクも減らせる。

 ダイキン工業の石井氏は、「空調機に使用されている冷媒ガスは無対策で大気中に放出することが禁じられており、フロン排出抑制法により管理者は機器の点検や記録、報告が義務付けられているが、機器の経年劣化による冷媒の漏れを防ぐのは難しい。そのため、冷媒漏えい検知機能で、いち早くユーザーに故障を知らせ、修理を案内して、環境負荷の低減を実現する」と話す。


フロン排出抑制法により管理者が行っている機器の点検や記録、報告 提供:ダイキン工業

 なお、冷媒漏えい検知機能を利用する場合は別途に「アシスネットサービス(有償)」を契約する必要がある。アシスネットサービスでは、冷媒漏えい検知機能以外に、フロン排出抑制法で義務付けられているフロン簡易点検のサポート、空調設備の機器管理、メンテナンス時期の見える化、機器異常のメールお知らせ機能も使える。

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