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中野区で建築調査へのドローン活用に関する共同研究がスタート!参加4団体の共同研究にかける思いJapan Drone2021(1/3 ページ)

2021年5月6日、中野区、建築研究所、日本建築ドローン協会、日本UAS産業振興協議会は、建築調査ドローン開発の共同研究に関する覚書を締結した。「Japan Drone2021」のカンファレンスでは、共同研究に参加する4団体が、都市部の建築調査にドローンを活用することの意義と、レベル4飛行に向けての課題などについてディスカッションした。

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 中野区は2021年5月6日、建築研究所、日本建築ドローン協会、日本UAS産業振興協議会と、建築調査ドローン開発の共同研究に関する覚書を締結した。共同研究を行う4団体は、ドローン国際展「Japan Drone2021|第6回-Expo for Commercial UAS Market-」(会期:2021年6月14〜16日、幕張メッセ)の国際カンファレンス「都市部における空間情報DX構想〜中野区におけるドローンを活用した建物点検技術開発を奇貨として〜」に登壇し、都市部におけるドローン飛行の現状と課題、そして今後について議論を交わした。

 登壇者は、石井大輔氏(中野区 企画部 構造改革担当部長)、宮内博之氏(建築研究所 材料研究グループ 主任研究員)、本橋健司氏(日本建築ドローン協会 会長)、岩田拡也氏(日本UAS産業振興協議会 常任理事)。進行役は、共同研究締結の仲介役を担った中野区議会議員 加藤拓磨氏が務めた。

共同研究に至った背景――


モデレーターを務めた中野区議会議員 加藤拓磨氏

 共同研究の目標は「都市部における建物調査ドローンの開発」。ただし、共同研究に参画した目的や背景は、団体によってさまざま。

 中野区が実験フィールドを提供するかたちで、共同研究に加わった理由は、中野区が直面している地域防災上の課題があった。

 中野区の人口密度は2万1589人/平方キロ(2021年1月1日時点)、全国で1、2を争う人口密集地帯だ。一方で中野区は、木造住宅密集地域を抱える災害危険度の高い町でもある。また、震災時に建築物が倒壊し道路が寸断されることを防ぐため、老朽化した緊急輸送道路沿道建築物の耐震化も課題になっている。中野区 企画部 構造改革担当部長の石井大輔氏は、「中野区の町づくり課題は、町の安全性をどう高めるかということ」と話す。


共同研究に関する覚書締結について説明する中野区 企画部 構造改革担当部長 石井大輔氏(写真左)

 建築研究所の宮内博之氏は、「都市部の高層化・超高層化した建築物に対して、点検・補修へのドローン利用に対する期待値が高まっている」と語る。

 日本では共同住宅、とくに築40年以上が経ったマンションが増えている。都市部の15階以上の共同住宅(高層マンション)に限ると、2003年時の33万戸から2018年は93万戸と、3倍強も増加するという。

 建築基準法12条に規定された定期調査(12条点検)では、外壁の種類によって竣工から10年を経過した建築物については、外壁を全面打診などで調査することが求められている。しかし、「全面打診による調査には仮設足場などの設置が必要で、建築物の所有者の費用負担が大きいこと、赤外線装置を用いた調査は建物の高層階には不向きで、適切な調査方法が徹底されていないことなどが課題」と宮内は指摘する。


左から宮内博之氏(国立研究開発法人建築研究所 材料研究グループ 主任研究員)、本橋健司氏(日本建築ドローン協会 会長)

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