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ダッソー2021年事業戦略「都市・インフラ領域のデジタルツインを支援」、京都・けいはんな地区の事例スマートシティー(1/2 ページ)

ダッソー・システムズは、2021年の注力点として「3D Experience プラットフォーム」を核とした事業展開を表明。バーチャルなプラットフォームを活用し、製造業、ライフサイエンス、インフラ&シティーの3分野へ進出する方針を示した。そのなかでインフラ&シティーでは、京都のけいはんな学研都市でのデジタルツイン構築例を紹介し、NTT西日本、関西電力と関西電力送配電、シェアサイクルのスタートアップ企業オーシャンブルースマートとの実証実験を紹介した。

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 ダッソー・システムズは2021年4月21日、オンラインで事業戦略説明会を開催。現在の概況と2021年の注力点について説明を行った。

「コロナ禍ではコラボレーション(連携)が重要に」


ダッソー・システムズ 代表取締役社長 フィリップ・ゴドブ氏 出典:ダッソー・システムズ

 説明会では、日本法人の代表取締役社長であるフィリップ・ゴドブ氏が自社を事業目的が明確な会社と紹介。3Dの技術をベースにしたプラットフォームの提供で、新分野を含めた幅広い領域へサービスを提供する姿勢を示した。

 日本法人の代表取締役社長であるフィリップ・ゴドブ氏が自社を「3D EXPERIENCEカンパニー」とし、2020年度は55億ドルの売上を計上したことを明らかにした。現時点でダッソー・システムズ全体の顧客は、約30万社に迫るという。そのうちの約3万社が日本での顧客。

 ゴドブ氏は活動の概況を「当社は3DEXPERIENCEのプラットフォームを提供している」とし、「設計やエンジニアリング、シミュレーション、ガバナンス、マーケティングといったさまざまな活動で必要なコラボレーション(連携)を提供する唯一の完全なプラットフォームだと認識している。3DEXPERIENCEプラットフォームによって、企業全体がデジタルモデルを共有できるようになる」とPRした。


3DEXPERIENCEプラットフォーム

 ゴドブ氏は、ダッソー・システムズを「パーパス(事業目的)ドリブンの会社」とも表現する。そして、「(目的を実現するために)現実に起こっていることを改善していく上では、バーチャルな世界が重要だ」と語った。


パーパス(事業目的)を明確にした会社としてのダッソー・システムズ

 3DEXPERIENCEのプラットフォームによって多様な分野と連携するには、テクノロジーの統合が必要になる。そこで、ダッソー・システムズでは、30年の歴史の中でテクノロジー企業を買収してきた。今回の会見では、3DEXPERIENCEプラットフォーム関連で、データサイエンス・AI分野のProxem、SQLデータベースのNuoDB、自動運転関連ではAVSimulationを買収または連携したことを発表した。


戦略的な買収や連携でプラットフォーム機能を拡充

 現在のコロナ禍に関しては、「コラボレーション(連携)が重視され、デジタルインフォメーションシステムや連携基盤が求められている」(ゴドブ氏)。その上で、ダッソー・システムズは、CADのみならず、コラボレーションやアナリクス、シミュレーション、オプティマゼーション(最適化)など、ほぼ全てのソリューションがロール(役割)に基づき、クラウド上で一元的に供給される。

 ロールに紐(ひも)づいているため、エンジニアだけではなく、マーケティングや調達、工場など、それぞれの業務で必要となる役割に応じた利用ができるのが特長だ。現在、ダッソー・システムズでは、11の業界に向けた機能を提供。また、クラウドでの運用をサポートするため、世界中にデータセンターの拠点を配置している。


3DEXPERIENCEの最新バージョンR2021xでは、571の機能群(ロール)をクラウドで提供

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