【第12回】「設計BIM全社移行を実現する社内教育の秘訣!Webインターンシップ」:BIMで建設業界に革命を!10兆円企業を目指す大和ハウス工業のメソッドに学ぶ(12)(2/3 ページ)
BIMの社内教育について、大和ハウス工場の「BIM啓蒙期」と「BIM導入期」の取り組みを紹介した。今回は、番外編として、2020年に実施した“BIMインターンシップ”について説明する。BIMインターンシップは以前にも触れたが、今年は新型コロナウイルスの影響で、学生の皆さんに当社に来ていただくことができないため、中止も考えた。しかし、当社のBIMを学生に知ってもらう良い機会となるので、何とか実施したいとの思いで、Microsoft Teamsを使用したWebインターンシップとして開催した。Webインターンシップは、参加した学生の方々に好評だったので、その内容を紹介したい。
BIM 360による演習の内容について
最初は、権限と役割設定を解説した。その際、参加学生を、意匠・構造・設備の3つの役割にグループ分けした。なぜかと言うと、各役割でどのようにBIM 360の見え方が違うのかを体験してもらうことを意図的に狙ったためだ。プロジェクトメンバーのワークスペースを作成するBIM 360のTeam機能での権限と役割設定は、情報セキュリティの観点からも重要な項目といえる。
次に、レビューや指摘事項についての解説を行った。BIM 360をCDE(共通データ環境)と捉えると、承認機能を使いこなすことが必須となる。
その後は、実際に用意された意匠・構造・設備のRevitデータを用いて、納まりなどの不整合を見つけ指摘事項を出すことを行った。用意されたRevitのモデルには、いくつかわざと不整合を作って、参加学生が探し出し、発見した内容を各自説明するという形をとった。
また、モデルコーディネーションでは、自動的に干渉の起きている部位を順番に確認し、指摘事項を出すといった作業を実践してもらった。
初めてBIM 360に触る学生が多い中、どこまで演習が進むかと当初は心配していたが、実際には参加者のスキルも高かったため、問題なく完了することができた。参加者も、BIMモデルを活用したCDE(共通データ環境)を体験することに、とても興味を持ってもらったようである。
演習以外の内容は、建設デジタル推進部についての業務内容の説明や年齢の近い先輩社員からのメッセージを伝え、4時間のWebインターンシップはあっという間に終わった。
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