ドローンを多産業で運用するために必要なガイドラインとは?UAV関連3団体が最新動向を報告:Japan Drone2020(1/3 ページ)
Japan Drone2020の特別講演で、福島ロボットテストフィールドで進められているプラント点検・警備・国際イベントでの運用ガイドラインについて、ドローン業界団体3団体が最新動向の詳細を報告した。
日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は2020年9月29〜30日、千葉市美浜区の幕張メッセで「Japan Drone2020」を開催した。本稿では、国際カンファレンスの中から、9月30日に行われた「福島ロボットテストフィールド(福島RTF)を活用したプラント点検・警備・国際イベントでのドローン運用ガイドライン」と題した特別講演を紹介する。
講演では、総合研究奨励会 日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)、日本産業用無人航空機工業会(JUAV)、福島イノベーション・コースト構想推進機構 福島ロボットテストフィールドから3人のパネリストを招き、各業界団体の取り組みと福島RTFでの活動を報告。モデレーターは、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)理事長の鈴木真二氏が務めた。
ドローン運用ガイドラインと福島ロボットテストフィールド
まず、福島RTF副所長の細田慶信氏が登壇し、福島RTFの概要説明を行った。福島RTFは、東西1キロ南北500メートルという広大な敷地を持つ。そして、ドローンの実験・試験に使う「無人航空機エリア」の他に、「水中水上ロボットエリア」「インフラ点検災害対応エリア」「開発基盤エリア」など、合計4つのフィールドを備える。
4つのフィールドのうち、「開発基盤エリア」には、2020年9月30日現在で21の研究施設が入居し、21のうちの7施設はドローン関連だという。
細田氏はエリア紹介の次に、ドローンを社会実装していくための「運用ガイドライン」の策定活動について説明した。運用ガイドラインは、安全などに関する基準とともにドローンの各種運用に関する基準となる。既にプラント点検、警備、国際イベントなどに加え、パブリックセーフティなどの分野で、関連団体がガイドラインをそれぞれ策定し、福島RTFのWebサイトで公開している。
細田氏は、福島RTFでドローンサービスの品質標準に関するJISの開発も、進めていることにも言及。品質標準に関するJISは、ドローンを利用する際の共通要件を標準化しようというものだ。ドローンはいろいろなサービスで利用されることが見込まれるが、どのサービスでもクリアすべき最低限の要件が求められる。一律標準化することで、各種ドローンサービスの品質向上を目指すというわけだ。
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