ダイキン工業江坂ビルが、CASBEE-WO評価認証「Aランク」とBELS「ZEBReady」をダブル取得:導入事例
ダイキン工業の大阪府吹田市垂水町にある「ダイキン工業江坂ビル」は、ビル改修物件として国内初となる「CASBEEウェルネスオフィス評価認証」のAランクと、BELS評価認証「ZEB Ready」の双方を取得した。
ダイキン工業は2020年3月12日、2019年5月に改修が完了したダイキン工業江坂ビルで、ビル改修物件としては国内初のCASBEEウェルネスオフィス評価認証(CASBEE-WO評価認証)のAランクを取得したことを明らかにした。同時にBELS評価認証の「ZEB Ready」も併せて取得し、オフィス利用者の「健康・快適」とオフィスの「省エネ」の両立を実現した。
60項目の評価に基づき、67.7点で「Aランク」を獲得
CASBEE-WO評価認証は、働き方改革や健康経営の社会的ニーズを受け、2019年5月に建築環境・省エネルギー機構(IBEC)によって設立された制度。対象は、建物用途がオフィスの建築物及び複合用途建築物のオフィス用途部分で、建物利用者の健康や快適の維持・増進を支援する建物の仕様、性能、施策などが評価される。建物内で執務する労働者の健康や快適に直接影響を与える要素だけでなく、知的生産性の向上に資する要因や安全・安心に関する性能についても審査される。
今回のダイキン工業江坂ビルは、60項目の評価に基づき、67.7点を獲得し、「Aランク」(65点以上)とされた。
一方、BELS評価認証は、建築物の省エネ性能が評価されるもので、住宅性能評価・表示協会が運営。当該ビルは、国土交通省が定める基準1次エネルギー消費量から52%の削減を実現した「ZEB Ready」(50%以上の削減)の認証を受けた。
今回の江坂ビルの改修では、汎用の空調製品や省エネシステムを組み合わせ、「健康・快適」と「省エネ」の両立を実現。具体的には、高効率マルチエアコンVRV Xと調湿外気処理機DESICAによる空調/換気システムを設置し、潜熱顕熱分離空調システムによる大幅省エネと、カセット型室内機S-ラウンドフローで均質な温度環境を両立させた。
また、省エネ性向上と働く環境の改善を目標とした空調と建築一体の改修計画で、多目的スペースを創出し、短時間ミーティングやコミュニケーションを増やした。この他、空調系統の最適化による共用部空調と省エネ運用、リフレッシュ効果にも期待ができるエントランスでのCool spot配置なども行った。
ダイキン工業江坂ビルの所在地は、大阪府吹田市垂水町3-21-10。規模は7階建て、延べ床面積2614平方メートルで、竣工年は1998年4月。改修工事は、ダイキンエアテクノの設計・施工て2019年5月に完了した。
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