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人が近づけば建機を自動停止、アクティオの後付け安全システム建設業のICT労働災害防止策(1/2 ページ)

総合建設機械レンタル業のアクティオは、建設現場で建機と作業員の接触事故を防ぐ、後付け可能なシステム「フォーエスバックホー」を開発し、2020年2月12日に発売した。

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 アクティオは2020年2月12日、栃木県栃木市藤岡町の佐野テクノパーク統括工場で、建機と作業員の接触事故を防止する新システム「フォーエスバックホー」の説明会を開催した。

ヘルメットのタグを検知し、危険な時は建機を自動停止


佐野テクノパーク統括工場で行われたデモ

 フォーエスバックホーは、「SAFETY」「STOP」「SIGNAL」「SENSOR」をキーワードに、人と建機を2段階で検知する安全対策用の新システム。バックホーと接触する可能性が低い少し離れたエリアでは、ヘルメットに取り付けたタグが警報と振動で建機に近いことを知らせ、オペレーターにも警報と警告灯で通知する。一方、バックホーと接触する可能性が高い至近エリアでは、作業員がエリア内に立ち入ると、重機は自動で停止する。


アクティオ 道路機械事業部 事業部長 今関政美氏

 説明会では、アクティオ 道路機械事業部 事業部長 今関政美氏がフォーエスバックホーの開発に至った経緯を解説。道路機械事業部は、道路舗装会社をメイン顧客に、安全、生産性向上、働き方改革を実現することを目指し、アクティオが独自に定義するコンサルティングとレンタルの融合“レンサルティング”を提案している。

 最近では、国が推進しているi-Constructionの普及を受け、ドローンの起工測量サービスをはじめ、3Dデータ化の測量機器、自動制御機能を備えるICT建機のレンタルに注力するとともに、社内外向けにICT施工を普及させる目的でセミナーも開催しているという。

 事業部の方針として今関氏は、「建設従事者の減少はこれから加速していくため、若手や女性の活用は不可欠となる。しかし、知識や経験が足りない人ともコミュニケーションが図れなければ、事故につながってしまう。その対策として、不安全行動をセンサーで感知し、クラウド上にデータを吸い上げ、AIで解析して、その結果を現場へとフィードバックするシステムを実用化させ、安全教育に役立てていきたい。同時に、5Gの本格運用に合わせ、危険箇所の建機作業を安全な遠隔地から操縦する技術にも対応していく」と語った。

 アクティオでは、フォーエスバックホーに先行して、安全センサーを開発。その理由を同事業部 主事 安田勇介氏は、国土交通省 北陸地方整備局の統計データ(2012〜2016年度SASデータ)を参考に、「土木用建機と作業員の接触事故は56.5%と最多。建機の前方だけでなく、後方でも合図/確認の不徹底や誤動作が原因で事故は発生しており、安全の見える/聞こえる化を推進することは急務だった」と説明。


安全センサー開発の背景

 これまでに、安全対策製品として、赤外線センサー「クルージングパル」や超音波センサー「パノラマO」を提供してきた。しかし、より確実に接触事故を防ぐため、オペレーターの死角となっている後方には動かない「バックしないバックホー」やフォーエスバックホーのプロトタイプともいえる緊急停止装置付きの「スリーエスバックホー」を実用化。現在では、新東名高速道路の工事現場などで運用されている。

 スリーエスバックホーは、作業員のヘルメットにセンサー、建機の後部に8個の受信機を取り付け、建機の周囲約6メートルに人が立ち入った場合、タグを検知すると、全ての動作が緊急停止する。作業員だけでなく、建機内のオペレーターにも警報で知らせ、設定した半円の外に人が出れば、通常の運転モードへと自動で切り替わる。


「スリーエスバックホー」の自動停止の実演

「スリーエスバックホー」の後部に芋づる式で搭載したセンサー

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