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Windows MR「HP Reverb」とワークステーション×5Gで、建築/土木のデジタルツイン構想日本HPの2020事業戦略(1/2 ページ)

日本HPは2019年のトピックスと2020年の事業戦略を発表する説明会で、PC/産業用プリンタ/3Dプリンタのそれぞれの方針を示した。このうちPC部門では、セキュリティ強化と攻めのVR/AIを目標としている。とくにVRとワークステーションに5Gを組み合わせ、建設業界の業務改善を目標にしたNTTドコモと共同で検証を行うデジタルツイン構想は、今までに無い新規事業の創出にもつながるとも期待されている。

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 日本HPは2020年1月20日、報道関係者向け事業説明会を東京都内のホテルで開催し、2019年の事業報告と2020年の戦略について発表した。

PC事業が伸びた一方、ペーパレス化でプリンタは鈍化


日本HP 代表取締役 社長執行役員 岡隆史氏

 冒頭、日本HP 代表取締役 社長執行役員 岡隆史氏は2019年の業績を顧みて、「PC事業が伸長した一方で、ペーパーレス化の波を受けたプリンタ事業がマイナス要因となって、グローバルでは売上6.4兆円、利益は4700億円となり、成長率は2%にとどまった」と報告した。

 2019年のハイライトでは、全体のけん引役となっているPCは、長い間上位を占めていた国内の大手PCメーカーを越え、国内市場でシェアトップとなった。なかでも、岡氏は日本発の重さ1キロを切るノートPC「HP Elite Dragonfly」が発売されたことに触れ、「働き方改革や女性のワーカーが増えることに伴って、もっと軽い製品に対するニーズは高まっていくはず」と期待感を口にした。

 また、「重要性が見込まれる(HP製品の)セキュリティ強化には、引き続き積極的に投資していく」として、既存市場のさらなるシェア獲得にセキュリティを武器に訴求していくことを示した。これまでの動きとして2019年9月には、Xen(ゼン)プロジェクトの創始者が設立した米Bromiumを買収したことをアナウンス。マルウェアからの保護や脅威分析を行うデバイスの管理サービス「HP プロアクティブセキュリティ」に、同社の技術を転用し、現在ではモバイルワークステーションをはじめ、適用製品を広げている。


米Bromiumの買収により、PCをはじめとするHP全製品で今まで以上にセキュリティが強化される

 他製品の話題では、日本で事業スタートから3年目となる3Dプリンタは、低価格帯のエントリー機「HP Jet Fusion 500」シリーズや大量生産タイプ「HP Jet Fusion 5200」シリーズのラインアップを拡充。大判インクジェットプリンタでは、アパレルのプリント領域で本格参入を見据えた新ブランド「HP Stitch S プリンタ」シリーズの上市もあった。

 2020年の事業戦略に関しては、「持続可能性」「パーソナライズ&オンデマンド」「モビリティ&セキュリティ」「サービス化」「リアル/デジタル融合」の各アプローチで、メガトレンドへの対応を急ぐとした。

 岡氏は具体策で、「当社が展開している製品の(ワールドワイドでの)市場は、主力のPCが36兆円、複合機やコンシュマー向けのプリンタは17兆円の合計53兆円のマーケット。このうち現状では、6.4兆円しか獲れていない。そのため、『セキュリティ』『AI&VR』『A3複合機』や高速出力がウリの『HP PageWideインクジェットプリンタ』を武器に、既存シェアを確実に拡大させる。同時に、オフセットや大判インクジェットプリンタなど、まだアナログの世界にある商業・産業分野での印刷をデジタル化することと、3Dプリンタによる製造業の変革にも注力していく」と展望を示した。


HPIのグローバル戦略。プリント+PCといった既存市場を広げることと、商業・産業と3Dで新規市場の開拓をうかがう

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