6つの要件を定義した物件・顧客管理システムで、国内外の不動産情報の標準化を実現:不動産テックカンファレンス2019(2/2 ページ)
リストグループは、2010年に日本国内での独占営業権を取得した海外不動産ブランド「サザビーズ インターナショナル リアルティ」のネットワークを活用した売買取引で、ITを活用し、国内外の事業所の物件情報の円滑な共有を可能にした。
モジュール型でシステムを製作
システムの詳細について仙田氏が説明した。システムは、レポート管理、マーケティング、販売サポート、国内外へのアプローチ、査定、プロモーション管理の6つの要件で定義されている。
仙田氏は、「レポート管理は、売り上げやイベントの反響率、HPの閲覧率のデータをリアルタイムに収集することを目的とした。マーケティングは、特定のキャンペーンなどの広告のクリック率やメールと電話の問い合わせ件数を分析する役割だ。販売サポートは、所有する顧客情報を基に、システムが自動で、ユーザーに適した情報をピックアップする役目となる」と解説した。
続けて「国内外のアプローチは、各国の不動産データをそれぞれの事業所で提案できる用途を持つ。査定は、物件の所有者が査定価格を問い合わせた際に、AIで算出することを担う。プロモーション管理は、新しい不動産がシステムに登録されたら、タイムラグなく、関連するイベントを紹介するサービスだ。こういった6つの要件が集約されているシステムは他にない」と付け加えた。
1つのシステムにこれらの6つの要件をまとめることで、関係するデータを一括で管理と保存が進められる上、他のシステムとの連携が不要になるという。
このシステムはモジュール型で、マイルストーンを置きながら、作業を進行する。モジュールは、Webページ「Global Website」や顧客管理システムなどで構成されており、最終的に12のモジュールを実装予定だ。
仙田氏は、「Global Websiteは、不動産情報を発信するプラットフォームだ。物件の種類や値段からさまざまな地域の物件を検索する。国内のみならず、ハワイ、シンガポール、フィリピン、香港、タイのオフィスにおける物件のデータとの連動にも対応している。顧客管理システムは、ユーザーの個人情報を登録し、各拠点で確かめられる」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 三井不動産が“イスラエル軍”発ベンチャーのビル管理セキュリティシステムを実物件で検証
三井不動産は、ビルの中央監視などビルディングオートメーションシステム(BAS)向けのサイバーセキュリティ監視システムを自社保有の複合施設に試験導入し、サイバー攻撃対策や運用手法策定のための検証作業を行う。この検証を通して、街づくりを通した持続可能な社会の構築に加え、テクノロジーの活用による不動産業のイノベーションを強力に進め、安心・安全なスマートシティーの実現を目指す。 - 不動産大手2社が語るスタートアップとの“共創”方法、三井不動産と東急住宅リース
東急住宅リースと三井不動産は、不動産マッチアプリや業務支援系ソフトなどの不動産テックを開発するITベンダーとの業務連携や共同開発などの共創を推進している。今後さらに、その勢いを加速していく方針だ。 - 不動産管理クラウドサービス「@プロパティ」、BIMモデルの連携が可能に
プロパティデータバンクは、BIMデータを活用し、不動産管理クラウドサービス「@プロパティ」の機能拡張を進めている。 - 米YouTube本社に導入されたデジタルサイネージ管理システム、「顔認識」で次の一手
紙器・パッケージの製造販売を行うサガシキは、日本で独占販売契約を結んでいるオープンプラットフォームのデジタルサイネージ管理システム「ENPLUG(エンプラグ)」に、新機能として顔認識システムを追加した。