世界最速の3Dエンジンを搭載した不動産向けVR内覧サービス「ROOV」:不動産テックカンファレンス2019(1/2 ページ)
スタイルポートは、IT活用が全業種と比較して停滞している不動産業界に、低コスト・高効率を実現したVR内覧サービス「ROOV」を提案することで、生産性向上を後押ししている。
朝日インタラクティブは2019年8月28日、東京都千代田区の御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで、セミナー「CNET Japan Conference 不動産テックカンファレンス2019 不動産業界の未来を輝かせる『テクノロジー・ビジネス・人材』の活かし方」をリブセンスと共催した。
今回は、住宅向けのITソリューションを展開するスタイルポート 代表取締役社長の間所暁彦氏が行った講演「不動産VRはプレゼンテーションからコミュニケーションツールへ〜世界最速エンジンで不動産取引と住生活をパラダイムシフトする〜」を取り上げる。
中古市場の流通の拡大が不動産テック成長のカギ
スタイルポートは2017年10月に創業し、AR/VRをキーテクノロジーとした不動産マーケティング支援SaaSの開発や運営を推進している。冒頭、間所氏は、同社がITソリューションを不動産業界で展開する背景について、アメリカと日本の不動産市場の違いや労働生産性の問題を交えて紹介した。
同社の資料によれば、アメリカの不動産テック市場は、Zillow GroupやOpendoor、Radfin、Compassの4社で時価総額にして約2兆円の価値がある一方、日本市場は全体で5800億円。
間所氏は、「不動産テック市場の差は、日米における住宅不動産のマーケットの大きさが要因だ。日本の世帯数はアメリカの半分くらいだが、新設住宅着工数に大きなひらきはない。中古住宅の流通量が日本に比べて多いのがアメリカの不動産市場の特徴だ」と語った。
新設住宅着工数の内訳についても触れた。日本は賃貸が44%、持ち家(注文住宅)が30%、分譲戸建てが14%、分譲マンションが12%。アメリカは分譲戸建てが49%、賃貸が34%、持ち家(注文住宅)が14%、分譲マンションが2%を占めている。
「アメリカの不動産テックは、中古住宅の流通領域で、効率を上げるために、次々と発明された。日本も2014年に既存住宅の販売量が新築着工数を上回り、不動産テックの需要が高まる機運がある」(間所氏)。
続けて、「このように中古住宅の流通が加速する中、マサチューセッツ工科大学スローンマネジメントスクールが作成した調査資料によれば、不動産業界のIT活用は全産業の中で最下位だ。厚生労働省のデータでは、一人あたりの労働生産性も飲食業や宿泊業に次いで、低い水準だ」と問題を指摘した。
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