3Dレーザー計測の4つの課題を解決するソフト「Galaxy-Eye」とハンディスキャナー「F6 SMART」:メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2019(1/2 ページ)
富士テクニカルリサーチ は、点群情報の取得や加工作業を後押しする製品として、3次元レーザー計測データCAD化ソフトウェア「Galaxy-Eye」とハンディスキャナー「F6 SMART」の提案を強めている。
CAD・CAEや3次元検査測定のシステムの開発と3次元計測コンサルティングなどの事業を展開する富士テクニカルリサーチ 営業本部 本社営業部 部長の北村友一氏は2019年7月26日、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2019」(会期:2019年7月24〜26日、東京ビッグサイト)で、「3Dレーザー計測における課題と点群データの有効活用」と題した講演を行った。
講演では、3次元レーザー計測データCAD化ソフトウェア「Galaxy-Eye」やハンディースキャナー「F6 SMART」といった同社の製品を用いた建設業界向け3Dデータ計測手法を提案した。
点群データでレイアウト検討が可能
建設業界では、測量などで3Dスキャナーを使う際に、CAD化に時間を要すことや点群の合成精度を高水準にすることが難しいこと、点群の取得に時間がかかりすぎること、大規模なデータの取り扱いで管理が面倒なことに頭を悩ませている。
こういった課題を解決するのがGalaxy-EyeとF6 SMART。Galaxy-Eyeは、3Dスキャナーなどで計測した点群データを3Dモデルや点群シミュレーションに処理できるソフトウェア。取得した点群データをシミュレーション機能で、動かすことができるため、施設内のレイアウト検討が行える。定期的にアップデートもしており、スペックの拡張を進めている。
シミュレーション機能は、点群データとCADを組み合わせて行える干渉シミュレーションという機能を利用することで、建物内の動作する物体と静止する配置物の接触を確認することも可能。
点群データに、設計図や指示書、報告書、伝票などの資料のリンクを貼り付けて、管理することにも応じている。
北村氏は、「Galaxy-Eyeを使うことで、点群データのみでレイアウト検討などが行えるため、CADの使用量を最小化し、CAD化に要する時間を縮減できる。また、点群データに、設置したセンサーの位置を登録し、他のセンサーとの関連性を見える化することにも対応しているため、施設内のIoT化にも役立つ」と語った。
3Dレーザースキャナーで取得した点群の合成精度を上げる方法についても提案された。北村氏は、「リファレンスボールを用いて3Dスキャナーで測定した情報と、トータルステーション(TS)で得られた計測値をGalaxy-Eyeで合成することで、200メートル離れた距離で点群を取得しても誤差を数ミリに止められる」と解説した。
さらに、「Galaxy-Eyeは、ドローンやモービル・マッピング・システム(MMS)、据え置き型の3Dスキャナー、ハンディースキャナーといったさまざまな機器で取得したデータを取り込めるのが特徴。実はこういったソフトは市場に少なく、ユーザーには高く評価されている」と補足した。
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