フジタが挑む最新ICT土工、初適用した全自動ドローンシステムやIoT全工程見える化など:メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2019(2/3 ページ)
フジタは、i-Constructionの加速に伴い、建設現場のニーズに合った完全自動運用型ドローンや全工程をIoTで見える化するICT土工の導入と検証を進めている。
機体と基地が連携して、ドローン業務を自動化
もう一つのドローン技術SENSYN DRONE HUBは、センシンロボティクスが2019年3月から提供を開始した機体と、自動離着陸や自動充電を行う基地、制御ソフトウェア、各種アプリケーションが一体となったドローン業務を自動化するシステム。
将来的に、航空法におけるドローンの目視外飛行の規制が緩和されることを見込み、ドローンと基地が連動して自動で稼働することにより、オペレータを必要としないドローンの無人運用が実現する。基本機能以外にも、決まった時刻にミッションを繰り返して実行するスケジューリングや遠隔地からカメラを操作する機能も追加することができる。
フジタでは現在、自動巡回するドローンによって取得した映像を朝礼や打ち合わせ時に利用しており、今後は大規模な現場で資材管理や警備、設備点検などへの用途展開も見据えている。
ブースでは、IoT建機による土工技術として、ジオサーフCSと共同開発した重機に搭載したレーザースキャナーで出来形測量を行う「重機搭載レーザー計測システム」やIoTで重機土工の全工程を見える化するシステムも紹介された。
重機搭載レーザー計測システムは、バックホウの運転席の上に搭載したレーザースキャナーで、移動しながら面的な出来形座標を即時に取得し、出来形測量を省略するシステム。従来の地上型レーザースキャナーを用いた測量では、盛替えが必要だったが、新システムでは自己位置を高精度に測位できるため、移動しながらの計測が可能になる。
システム構成は、レーザースキャナー、GNSS受信機、傾斜計、解析モニター。レーザースキャナーの仕様は、測定距離3〜15メートルの法面計測であれば±50ミリ以内の高精度で行え、測定視野は上方向で45〜165度、水平方向で90度。
重機への装着は、安価な2次元レーザースキャナーを外付けするだけで完了し、計測には専門スタッフがいなくても、運転席のタッチスクリーンで操作して重機を旋回すれば毎秒12万点の3Dデータが取得される。ドローン測量の様に雨天や強風など、作業環境や地形条件の影響を受けないメリットがあり、高価で耐久面に問題のある3次元レーザースキャナーと比較しても、短い時間で広範囲に計測するため、汎用性が高く、省力化にもつながる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.